そして、真実

「自転車ダイエットに付き合え! さもなくばファラオに呪われろ!」
めっちゃ寒いわ! しかも、さりげにヒドイ! そもそも、どこを走るつもりだよ?
「ん~適当に。50km以上は走りたいかな?」
んな漠然とした情報か! じゃあルートは俺任せってことかい!?

あ。後ろブレーキ調整しといたわ。
「あんがと」
をいをい! 俺の分のドリンクは?
「忘れていたのではなく、切れてただけですよ? あ…あった」
余計、悪いわ! っつか、自分の分はキープしてあったんかい!

やっぱ寒い! ココまで走ってきてなんだが。俺は今、後悔してるぞ!
「寒くて、涙が止まらないよぅ」
うわ! 化粧が流れて気持ち悪っ!!
「酷っ! 気持ち悪いってゆーな!」

ま…迷子だよな? 俺たち今…。
「本当に、コレって『荒川』なの?」
自転車の気配は欠片もないな。あと、さっきの看板に「新河岸川」って書いてあった。
「普通に間違ってるじゃない!」
うねうねと走っていると、見覚えのある風景。
「あれ! ココって?」
あ! 研修ん時、毎日歩いてたぞココ。会社の物流があったとこじゃんか。
「随分、横に逸れてたんだねぇ…」
ん…。
(微妙に重くなった雰囲気)

うりゃ~!ハマのスピードマン、タナカ様のアタックについてこれるかな?
「急に加速すなっ!」
くくく…、油断した貴様が悪いのよ。
「絶っ対、泣かしちゃるっ!」

「機嫌、…悪いの?」
うんにゃ。走ってると、頭の中で禅問答が始まるだけ。
「一人だと走らないクセに…。黙々と走ってて楽しい?」
うん☆楽しい。(無邪気)
「…」(やれやれ)

「こ…コンビニ寄ろ? 流石にキツいわ」
あぁ、別に構わんが。俺は、ドリンクも残ってるから大丈夫だ。
「飴、食べる?」
絶対、いらにゃい。(キッパリ)
「またまたぁ。本当は甘いものを身体が欲してるんでしょ?」
全然、欲してない。(「NO」と言える日本人です)
「やっ!」
ぶへっ! 無理やり、口に突っ込むな!

峠道は、また寒いなぁ。
「もう無理。走れにゃい~」
じゃあ先に行くわ。上まで足を付かずに行ってから、戻ってくるわ。
「薄情者~」

ふぅい、やっと頂上か。
「死んだ。普通に死んだ…」(バッタリ)
ん~。俺は平気だなぁ。ついでだから下って、向こうからも上る?
「鬼かアンタはっ!」
はっはっは。まあ、この道は何度も一人で走ってるからねえ。
「いつか殺す!」

「帰ろ…」(若干グッタリ)
疲れてる時こそ、アスリートの真価が発揮されるのだ! 付いて来い少年!
「うわ、分かりにくいネタ! 『ヒロ君』繋がり?」
うりゃりゃ~!キタナカヒロユの肉弾特急じゃ~!!(実は脚が攣りそう)
「うわぁん。ネタが混ざってるし、ヒドイよぅ~」

えぇ。
現実は、こんなもんです。

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