「言葉狩り」に物申す【論理パンク注意】

最初に言っておきます。
ココで書いてある内容は、有川浩さんの小説「図書館戦争」をキチンと「読み解けた人」は読む必要はありません。
映画はダメです。
ちゃんと「『言葉狩り』されちゃってる」から。
あれだけ分かり易く、エンターテイメントとして成立するレベルで「言葉狩り」を糾弾している小説は読んだことが無いです。
そもそも。「言葉狩り」する集団と「文章を守る図書館」がドンパチする話ですからね。
もう、そのまんま。
直接的に過ぎて、「痛快」を越えて「唖然」としました。
ちゃんと「ラブ」と「バイオレンス」や「コメディ要素」もバッチリ組み込んであるから、普通に売れましたものね。
凄いなあ。
頭がいいなあ。
凄いバランス感覚の作家さんだなあ。
――これは、俺の想像だけどさ。
有川さんは苦しんだだろうと思う。「恋愛コメディ小説」として、自分の作品がヒットしたことを。
それとも、プロは「『金』と『表現』を割り切れる」のか知らん?
二冊目の「図書館内乱」で、「聾唖者の少女が、『聾唖者の少女が主人公のラブストーリー(※)』を好きになって読んでると、『差別だ!』って『健常者』が騒ぎ立てるエピソード」とか書いてたのも、ダメ押ししてますね。
※作中作「レインツリーの国」も、有川さんが書いた素晴らしい作品です
「これで伝わるかな?」って、思ってたんじゃないかなって思う。
ここで、やっと本文に繋げられる訳ですけどね。

先日の記事を打ってて改めてハッキリと認識できたんだけど、俺は「言葉狩り」が大嫌いなんですよ。
そうそう。大真面目で「喜多仲ひろゆ」の野郎が「短編小説」打って、クリエイター気取りしてる時にね。
その記事に、「盲滅法(めくらめっぽう)」って言葉が打ってあるじゃないですか?

それがさ。
そのまま打っても、通常じゃ漢字変換されない訳。
「じゃあ」って思って、読みを分けて変換したさ。ええ、しましたとも。
まあ。「滅法」は、そもそもからして仏教用語だから出てくるよね。
でも、その前の単語が出てこない。
そりゃあね。
俺だって、「直接的」な差別用語は口に出したくないさ。
文字でだって、打ちたくない。
だから、今度は「盲いた」で漢字変換しようとしたのさ。
コレも出てこないんですわ。

「ググって、検索結果をコピペ」なんて、俺の中では邪道中の邪道なのさ。
三つ目の「盲目」で、やっと変換された訳。
まあ、いいよ。
一〇〇歩譲って、そこまでは許す。
そんで。「盲いた」という表現が最早、日本語から消え去ったのか? という可能性を考えて、グーグル先生に聞いてみたのさ。
辞書が出てくるよね、そりゃ。

盲いた
読み方:めしいた
ア行上一段活用の動詞「盲いる」の連用形である「盲い」に、過去・完了・存続・確認の助動詞「た」が付いた形。
【終止形】盲いる » 「盲いる」の意味を調べる

なんだそりゃ!
「盲いた老人が、私に話しかけた」って表現をするのに、一々コピペしないとイケナイ訳?
「盲目の老人」じゃダメなんだよ、「その世界観を書く俺の心」にフィットしないんだよ!
え! 「自分のパソコンの辞書に登録すればいいじゃないか。 情弱乙!」だって? そういうレベルの話をしてるんじゃないんだよ。
一つの単語の話を、してるんじゃない。
変換されなかったら、全部「辞書登録する」作業の大変さを言ってるの。
パソコンの辞書は「使っちゃいけない言葉」で埋め尽くされるって寸法さ。
俺の語彙はハンパじゃないぜ、鼻は曲がるし瓦礫の山。草木一本も残しゃしねー、雄たけびを上げてデストロイ! ですからね。
そりゃ、筒井康隆さんが断筆するのも頷ける。

喜多仲の野郎は言わないけど、「俺」は言わせてもらうよ。
空気が読めないからね。
「その言葉を使う」のを避けたがるのは分かる。
「その言葉を知らない」のも分かる。
でもね。
俺は、その一文にシックリくる単語を数十種類の中から選んでる訳よ。
妥協して「めくら滅法」なんて、汚い言葉は使いたくないのよ。
逆に音が強調されて「差別的な臭いがする、醜い表現」じゃない? 
え! 「全然、変わらない」ッスか? そうか……。俺だけなのか。

じゃあ。
俺が「盲いた老人」という表現をしたとして。
読んだ人が、「盲いた」という単語を知らなかった場合を想定してみてくださいよ。
その人が真面目な人だったら、「グーグル先生」の辞書を使いますよね?
それでも「意味」が一発じゃ出てこない状況って、どんなもんなの?
俺が「風の谷のナウシカ」を小説化するなら、絶対に発禁になるよね。
だって。編集者に「ここの表現、困るんだよねえ」って言われたら、俺だったら普通に怒るもの。
喜多仲の野郎だったら、ヘラヘラ笑って言われた通りに直すだろうけどさ。
俺だったら巻末に「『著者背景』により、本書には差別的な表現が含まれております。本書では著者の意図や時代背景を汲み、そのまま表記されています。ご理解ください」って書いてもらうよね。
逆に。
昔の小説の再販で、上記のような但し書きが最後に出てくると「え! どこに『差別的な表現』があったの?」って思って探しちゃいますもん。

その話をしたら、ハリーさんに「私の友人で、『片手落ち』って言葉を使う人間を、心の底から軽蔑してる女性がいるよ」って言われた訳。
一応、先に「その女性は、片手が無い女性なのかい?」と聞いたよ。
俺は、ガールズには気を遣える紳士だからね。
そしたら、「いや、普通の女性だよ」という回答が返ってきた訳。
そこで、またブチ切れですよ。
「その女、『俺』の前に連れてきてくださいよ! 正座させて小一時間説教してやるから!」って言うよね。
※「紳士」の称号を、慎んで返上いたします
相手が「泣く」か「自分の誤りを認める」まで、説教はやめない所存。
まあ。
話を聞いたのは喜多仲だったから、大事にならなくて済んだけどさ。

あ・の・なー!
「片手落ち」って言葉は、「片手・落ち」じゃないんだよ。
「片・手落ち」なんだよ。
「片方に手落ちがあった」って意味なの!
※語源が「片落ち」って説もあるが、それでも「片手」じゃないし……
は?
「それでも、『語感』が差別的」だって?
じゃあ一生「手も足も出ない」って言うなよ! それ差別だから。

はいはい。(呆れ顔)
じゃあ、「片手が落ちる状況」を説明してくださいよ。
俺だったら、ギャグ漫画テイストで片手が「ポロッ」って落ちちゃって、「あれ? 取れちゃった」みたいな状況を想像するね。
あらゐけいいちさんの漫画「日常」に出てくる、「東雲なの」ちゃんみたいなイメージだよね。
もっとシリアスに考えても、「侍同士の決闘シーン」。すれ違いざまに敵役の侍の(刀を握ったままの)右手が空を舞うシーン。
カッコイイよね。

いやいや。
聞いてるばかりじゃなくて、ちゃんと説明してくださいよ。
そもそも。『貴女』が想定してる「被差別者」で「可哀想に」って思ってる対象は、「片手が落ちた人」なの?
「生来、片手が無い人」なんじゃないの?
それじゃ。
最初の前提からして、「貴女」の論理は破綻してるんじゃないの?

俺もね、障害者なのよ(ここで『障碍者』と変換されて、イラッとした)。
主に、頭のね。
手帳だって持ってるのよ。
「タカハシ」のシステム手帳と「おくすり手帳」ね。
それでも。
小説を読んでいて「それ」を表す表現が出てきても全っ然、気にならないし、しないんだよ。
それを勝手に憐れまれるのは、凄い不愉快な訳。
「俺」が「貴女」に差別されたような気分になるの!
それすら分からないんだったら、俺を憐れんでくれよ。
「馬鹿にすんな!」って、言い返してあげるからさ。
『本当に貴女は、女に生まれて可哀想だよね』って、逆に憐れんであげる。

そういうのを気にする人って、三種類に分けられるのさ。

・「差別しない」という、手前勝手な理屈で「差別してくる」奴
・「差別だ!」と叫ぶことによって、「利」を得られる奴
・自分の「障害」を武器にして、健常者を「逆差別」してる奴

この三種類だけ。
※「障害児だけど、普通学級に入れたい」みたいな親御さんはエゴだし、一番上の類型だから省略
最後の項目に関しては、ごく少数。
話が逸れるが。大学時代の先輩が、実際に遭遇したエピソード。

先輩が街を歩いていたら突然、車いすに乗った男性に太ももを殴られた。
痛みで膝をつく程度には、痛かったそうだ。
そこで「何すんだ、てめえ!」と、怒鳴りつけた。
すると、車いすに乗った男性が「俺は障害者だ。暴力を振るってもいいのかよ? 訴えるぞ!」と、恫喝した。
先輩は立ち上がり、無言で「彼の車いすの周りをスキップして回った」そうです。

これを読んで、「キタナカの先輩は酷い人だ」と言える人って、どれくらいの確率なんだろう。
ツイッターで影響力の強い発信者は、上記のシチュエーションで「どっちが悪い?」ってアンケート取ってもらいたいです。
#【拡散希望】って勢いですよ。
俺にとってのTwitterは、流れが速過ぎてついていけないので放置。お爺ちゃんだから。よって、影響力も皆無なんで……。テヘペロ☆
そんで、結果を教えて欲しい。
サンプルが沢山とれるなら、一〇〇〇円くらい払っても良い! と思えるくらい疑問。
いや。スクリーンショットとかURLが無いと払わないよ?
結構、多いと思うんだよね。「先輩が悪い」って思う人。
でもね。
俺は「先輩の行動は、最善だった」と思ったし、今でも思ってる。

人物背景としては――。
先輩は。見た目は、それほどゴツくないけど格闘技をやってる人で、素人相手だと専守防衛の人。
それでも武器を使ってくる相手には、手加減前提だけど「暴力を振るえる」人間だった。
俺も、一度だけ片鱗を見せてもらった。
「関節技って、本当に痛いんですか?」って聞いてお願いしたら、俺に掛けてくれた。一瞬で「ゴメンナサイ! もう聞きません、後悔してますっ!」ってくらい痛かった。ま、かけられたのも一瞬(しかも手加減して)だったんだけどね。
面白がりな人だった。街娼の客引きの外国人オバサンに「ゴジュエンでイイヨー、ゴジュエン。モデルさんトテモきれいネ」と言われて、別に溜まってなかったけど「五十円かよ!」と思って、誘いに乗って「いや、参ったよ。そのオバサンが服を脱ぎ始めるんだもんよ。どこがモデルだよ! って思ったね。そんで、結局五〇〇〇円取られたわ。五〇円、どこいったんだよ! わはは……」って話も愉快で痛快だった。(怪物くん)

極端な話だったけど、話を戻すよ?
「タチの悪い障害者」の存在は、「肩がぶつかっただけで殴る健常者」と同じくらいの確率。
総数で割れば、本当に一握り。統計的に言えば「いない」に分類してもいいくらい。
ってことから出る結論はさ。
「オツムが少し残念な健常者」か「金儲けする健常者」が、「差別を助長」してる。
ってことになるよね。

過去日記の頃から、俺は何度も書いているよね(「note」に移行する際に、自分の記事すべてを読み直したから間違いない。三回は書いてる)。
「『痩せる広告』が『太った女性』を作り出す」ってさ。
それと同じ原理。
「『差別しない』が『差別』を助長」してるんだよ。

だから。
俺は、出版では書けない表現も、平気の平左で使ったりするよ。
例えば、「男女が一人に一つずつ、大切な性器の呼称」とかもね。
でもまあ、一定数の「不快に思う人間」ってのも理解してるのよ。
ごめんな。
すマンコってす、オメコぼしのほどを。

――キタナカが書くと、物凄いネガティブな反応が多いので、喜多仲ひろゆがリライトして上げ直すかもしれません。

タメになるコトは書けていませんが、サポートいただけたら励みになります。よろしくお願い申し上げます。