プリミティブアディクション2004

「こらーキタナカ! また物理の授業サボったわね!」
げ! 委員長?
「『げ!』じゃないわよ! アンタはただでさえ出席が足りないのに、よりにもよって勝野ティーチャーの物理を…」
だってよぉ、ティーチャーの授業タリぃんだもんよ。
「とにかく! 私がクラス委員長になったからには、キタナカに授業はサボらせませんからね!!」
へぇへぇ。
「返事は一度でよろしい!」
へぇ。
「あんたは時代劇の町人か!」
「はい」。これでいいんだろ?
「うむ、よろしい。5限はグラマーで、今日は11日だからね。せいぜい気をつけて」
あ、坂下って俺の前の席じゃん!やっぱ5限はパス…。
「ダ~メ!」
ちぇ。了解だ、委員長。そんかわしノートを見せてくれ、最初の方だけでいいから。これ以上は譲歩できんな。
「ったくぅ。しょうがないわね」

「ちょっとちょっと茜ぇ。アンタよくキタナカに注意出来るわねぇ」
「へ?」
「だって、キタナカって近付きづらいっていうかさ。ぶっちゃけ問題児じゃない?」
「う~ん。私は昔からの腐れ縁だからなぁ。怖いとかそういうのはないけどなあ…」
「え? じゃあ2人はデキてしまっているのね!」
「『デキてる』て! あんた、いつの人よ…」
「表現はこの際どうでもいい! 私はアンタの気持ちを聞いてるのよ!」
「え! わ、私は別に…。キタナカは私の事ウザがってるみたいだし…」
「ほうほう」
「って何を言わせるのよ!」
「実はキタナカって女子の間で、ひそかに人気があるのよね。なるほど浮いた噂一つないと思ったら…」
「だから私は関係ないってば!」
「ムキになるところがアヤしいぞうっ!」

…。
……。
――なんて委員長が、身近に居てくれたら。
俺は道を踏み外す事なく、エロいキャッチ書きに悩む日々ではなかった筈なんです。

今からでも遅くはないです!
委員長さん! 俺を叱ってくださいぃっ!!

――つまり「道を踏み外し」て「キャッチに頭を悩ませ」てる訳だな、分かりやすい男め。

タメになるコトは書けていませんが、サポートいただけたら励みになります。よろしくお願い申し上げます。