アプラス、ラプラス、アプサラス
「もう! ヒロユってば起きなさいよっっ!」
むにゅう、もう食べれないよぅ~。
「そんなテンプレ的な寝言はいいから!ホラ、外はいい天気だよ!?」
『俺の心に降る雨は。そう!あの夜以来、止んだことはないのさ』。
「ハードボイルドキャラを演じてもダメだってば!そもそもヒロユは『弄られキャラ』でしょうに!」
ピキーン!(なにかのスイッチの入った音)
あ゛~ん? 誰が「弄られキャラ」ですってぇ?
「いひゃいいひゃい!」
この口かしらねぇ? ヤンチャな言魂を吐いたりしてるのは!
「はんれ、ほへぇヒャラにらってんろよ~?(なんでお姉キャラになってんのよ~?)」
はっはっはっ。ココか? ココがえぇのんか!
「ふぇえい! いいはれんにふれ!!(えぇい! いい加減にすれ!)」
ごっ!(人中一本拳打ちが炸裂)
痛ってぇぇぇ! マジ死ぬぞ、急所狙ってきやがって!!
「遺言はそれだけかしら?ヒロユ…」(「ゆらぁり」と立ち上がる)
ちょちょっ! タンマタンマ!
「『タンマ』ってスワヒリ語で『安楽死』という意味だったかしら?」
ソレ違う! テキトー和訳、いくない!!
「大丈夫、一瞬でラクにしてあげるわ」
いや、調子ん乗ってました自分。本っ当にスイマセン!
「じゃ、どっか遊びに行こ!」
コロッと態度変わり過ぎだろ…。
「なんか言ったぁ?」
いーえ。さっぱりまったく金輪際。
「じゃあ、どこ行く?」
えと…俺んち。
「ココじゃないの!」
若しくは、狭いながらも楽しい我が家。
「同じだし! でも若干、卑屈だし!!」
だり~。
「ウルトラセブンに出てきた?」
それ、ダリー。
「芸術家?」
それダリ。
「ジョナサンジョースターの飼い犬?」
それダニー、っつか分かり辛い。
「あのさ」
うん?
「ヒロユって、こーゆー微妙な言葉遊びが好きよね?」
うん☆
「でもさ、一向に日記が始まる気配がないってのも、どうかと思うよ」
そうか。
「そうだよ。21世紀を担うキーパーソンが、こんなとこでくすぶってていい訳ないじゃない?」
あ。
そうだ!中野に行こう!!
「え? え? なんなの、この唐突な展開は!」
なんだよ。お前が出掛けたいって言ったんだろ?
「なんかこう『携帯に書き溜めてた枕(落語用語。始めのキッカケとなる噺)を消費するために、無理矢理つなげた』みたいな…」
ギクッ! そそそんなことはないデスよ?
「やっぱし…」
という訳で。
食事と洗濯と携帯に溜まっていたデータの整理を済ませて、外出。
レッツラゴー!
――そんな訳で、実際には一人で中野で買い物をしましたとさ。
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