ドッペルゲンガーの追憶

涙ぐんだ女性に「こ…この恥知らず!」となじられたい。
俺の手には数枚のポラロイド写真。
そんな将来の夢を語りながら、凌辱モノのビデオのキャッチを考える33歳。
それが俺。
則ちキタナカ。
つまりイケメンタイフーン2024です。

社内で妙な噂を耳にするのです。
俺が、うちの作品に男優として出ているという噂です。
いや。
自分でもR18DVD男優(若しくは風俗ライター)チックな顔をしてるな、とは思ってましたよ、えぇ。
でもさ。
「他社の作品に出て、噂になる」なら分かるけど…。
しかも社内監督の作品だし。
オカシイと思おうよ!

で。
噂の発信源の先輩を問い詰めたのですよ。
何を根拠にそんな事を! ってね。

「ホレ」
先輩が俺に寄越したのは、弊社一二月作品のパッケージの校正。

あ。
確かに似てる…。
しかも「素人M男優募集企画」作品や。
いや。
それっていつ撮影だったん?
いやまさか!
ウソ~ン?

――自分の名誉にかけて出演はしてませんが、怖くてその作品は見れません。

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