半年分の勇気と機能不全の板挟み

「ててて店長～！」
なんだよ。
「事件ですよ！大事件なんです～！」
今日、パンツ穿き忘れちゃってたぁ！　とかか？
「ンな訳ないじゃないですか！」
じゃあ「今日はノーブラなんですぅ☆」とかか？
「あのねぇ…」
ま、チケ子の盆地胸じゃ嬉しくないがな。
「ムカ！」

で、何が事件なんだ？
「そうそう！　某メーカーの販促物説明とかでしか私たちって、世の中に認知されてないじゃないですか？」
俺は、SNSに登録してるぞ。
「うわ！　店長ってばズルい！」
パンダ徳（人徳みたいなもの）って奴だ。

「あーもー！店長と話してるとズルズル脱線するんだからぁ！」
で？
「某店舗から『パンダ店長ってイイネ』って意見が、営業に寄せられたそうなんですよ！」
そうか、俺くらい可愛ければ当たり前だな。
「う、あまりにつまらない反応。で、でもね『毒舌な店長』がお気に入りだそうですよ！」
しょっちゅう、激し過ぎて上から検閲が入ってるがな。
「たしかに…。でもホラ！　励みにはなるじゃないですか？」

まぁな。でも、チケ子の評判はどうなんだ？
「う…。聞き忘れた」
俺と、セット扱いだな。
「イヤ～！」
コンビには「阿吽の呼吸」が必須！
「…（ヤな予感）」
脱げ！　女！
「アホか～い！」

ブァキィィ！（伝説のコークスクリューブローが炸裂）

ごふっ。いぃ～の持ってんじゃねぇか！　俺と一緒に世界を狙わねぇか？

「結構です！　それよりなにより…」
？
「なんと！　その店ではレジ裏に『パンダ店長コレクション』を集めて貼ってくれてるそうなんですよ！」
いや…。
「なんですか？　もっと喜んでくれるかと思ったのに…」
それってよ…。
「？」

『POPとしては機能してねぇ』んじゃねぇか？
「あ！」