厭世カウンセリング

「将来に希望が持てないんです」
十七歳の男の子は、そう言った。
どうして、俺の周りには「こういう人間」が集まってくるのか?
自殺志願者。
ペシミスト。
頽廃主義者。
etc.
「どうして十七歳の男子高校生と知り合いになるんだ!?」というのは、また別の問題。
軽い眩暈を覚えながら、向こうを刺激し過ぎないように言葉を選んで説得にかかる。

なぜ、そう思うのですか?
「もう、生きているのに疲れてしまったのです」
どうして、そう思うのですか?
「中学の時に予測を立てていた未来と、現在の状況。概ね想定の範囲内であり、これからも予測以上のことも起こりそうにもない。よって、つまらないのです」
それは、あなたが「自分が生かされている」という認識から生まれている感覚なのではないか?
「そうかも知れません」
だとしたら、とりあえず今は「生かされている」状態の中に面白みを見出すしかない。
「そんなもんですか?」

そして、大学に入るなりをした時に、擬似的に「自分で生きている感覚」を得てみるといい。それは勘違いでしかありませんが。
「勘違いですか」
そこで、ある程度「自立した感覚」を身に付けたら、社会に出ることになる。そうなると良くも悪くも自立せざるをえないから、また新しい世界が見えてくる。そのときに結論を出せばいいと思う。世の中にガッカリするならば、それからでも遅くはない。
「はい。とりあえず生きてみようと思います」
そうですね。
「いいですね、キタナカさんはポジティブシンキングができて」
そうですかね?
「そうですよ」

ポジティブシンキングねぇ。
ポジティブに「ネガティブな自分」を受け容れてるだけなんですけどね。
まぁね。
悩んでてもしようがないし。
ねぇ?

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