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グッドルーザー

チャンピオンはカッコいい。
それまでの苦労や挫折を「優勝」はいっぺんにひっくり返してくれる力がある。

それまでの過程が苦ければ苦いほど、勝利の美酒は甘くなり、人を酔わせていく。

オリンピックの金メダリスト、
M-1チャンピオン。

圧倒的な勝者、夢をかなえた人の話に人々は熱狂し感動を消費してゆく。

チャンピオンの後ろには無数の敗者が涙を流している。
敗者の数が多ければ多いほど勝者の輝きは増してゆくのだ。

光り輝く敗者たち

だがときに勝者を上回るほどに「光り輝く敗者」もいる。
私にとっての光り輝く敗者は、フィギュアスケートの浅田真央選手と、漫才師の和牛である。

真央ちゃんに涙する

2014年ロシア•ソチオリンピック、ショートプログラムでまさかの16位。
どう頑張ってもメダルが取れない順位になった。
4年間の努力が一瞬で崩れ去る。
どんなに辛い事だろう。
真央ちゃんほどではないけど、私も同じような経験をした事がある。

まったく人生ってやつは!

私は腐ってばかりだったけど、真央ちゃんは違った。
ソチでの圧巻のフリー演技は「伝説」となり、金メダル以上に世界中の人たちを感動させたのだ。

今でも私は、フリーで使われピアノ協奏曲のイントロと彼女の演技を思い出すだけで涙が出てくる。聴かなくても泣ける、まるでパブロフの犬である。

たしかに浅田選手はオリンピックチャンピオンにはなれなかった。
でも負けた事も含めて、フィギュアスケートの素晴らしさや、挑戦し続ける事の素晴らしさを、見る人みんなに教えてくれた。
彼女は、多くの人を勇気づける"光り輝く敗者"だと思うのだ。

ちなみに、浅田選手の引退後、仕事で会う機会があったけど、本当に素敵な女性で、ますますファンになりました。リアル天女でした。

和牛に元気をもらう

M-1グランプリで、
5年連続ファイナリスト、
3年連続準優勝の和牛も"光り輝く敗者"だと思う。

ただでさえ決勝に行くのが大変なM-1で連続出場して結果を残すのがどんなに大変な事なのか。
ゼロから作品を生み出し、ブラッシュアップしていく作業がいかに大変な事なのか。

私もクリエイターの端くれだったので、考えただけで胃が痛くなる。

そんな作業を長年続けてきた和牛だが、M-1チャンピオンになる事は出来なかった。

だけれども、M-1グランプリ5年連続ファイナリスト、3年連続準優勝という経歴は、M-1チャンピオン同等の輝きと価値を持っていると私は思うのだ。

今、和牛はテレビでも劇場でも引っ張りだこの売れっ子芸人さんだ。

2020年週刊文春オンラインが発表した「好きな芸人ランキング」ではサンドウィッチマンに次いで和牛が2位になっている。

ファンは彼らの努力を知っている。

チャンピオンにはなれなくても、彼らの漫才やスケートの素晴らしさは揺るがない。

自分の限界を越えようとする姿は人を感動させる力を持っている。

人生をかけた夢や目標を諦めなくてはいけないという事が往々にして起こる。

そんな時でも最後まで前を向いて逃げなかった浅田真央選手と和牛を尊敬する。

そして彼らの活躍と笑顔を見るたび、癒され、勇気がわいてくるのだ。

「美味しんじ〜!」
今日もヒルナンデスで水田さんから元気と笑顔をいただきました!

チャンピオンにはなれなくても、
カッコいい敗者にはなれるかもしれない。私も頑張ろうと思う。

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