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清水vs町田の流れを振り返り 

 前半は町田が主導権を握り2対1とリード。しかし後半清水が追い上げ劇的な逆転勝利を収めました。試合の流れに沿って起きた事象を観察してみたいと思います。

清水の攻撃と町田の守備

 町田はいつも通りの固い守備。まずはしっかりと中へのパスコースを消していきます。そして清水のキーマン乾選手もボランチの選手(主に松井選手)が付いて強く監視。乾選手に自由を与えません。そこで清水がボールをサイドに振ると素早く全体をスライド。サイドの高い位置でプレスをかけてボール奪取を狙ってきました。

 開始早々、原選手にボールが入るとエリキ選手が素早くスライドして強くプレス。そこからのスローインをきっかけに町田が先制ゴールを奪います。
 内側でボールを受けられないため、清水の中盤(乾選手やボランチの選手)は低い位置に下がってボールを受けようとし始めます。
 中盤の選手が下がると距離が開いて前線の選手は孤立。後ろからパスが通っても町田のディフェンスに対応されてしまう状態でした。

清水の守備と町田の攻撃

 町田はボールを持つと素早くサイドの前方にボールを入れてダイレクトな攻撃を仕掛けていました。
 もしサイドの突破を止められても、ボールがアウトしたらそこからロングスロー。徹底してサイドの高い位置からの攻略を狙ってきます。
 前半22分、宇野選手のサイドチェンジから平河選手が右サイドで仕掛けてクロス。これをエリキ選手が決めて町田が2-0とリードします。

エリキ選手の交代後

 36分にエリキ選手が負傷のためバスケスバイロン選手と交代します。収めて運べるエリキ選手が交代し町田は清水陣内深くまで攻めきれない場面が出てきました。
 これで清水のボールを保持の機会が少しだけ増えてきて、時折サイドを強引に剥がしてのクロスでチャンスを作ります。
 そして42分に清水の1点目。ライン間で受けた乾選手へのファールからフリーキック。乾選手、山原選手と繋いでクロスを高橋選手がヘディング。こぼれ球をカルリーニョス選手がねじ込みました。
 良い時間帯に清水が1点返して前半が終了します。

後半の入り

 後半、清水は中山選手に代えて北爪選手。システムも4-2-3-1から3-4-2-1に変更します。
町田は前半と変わらず4-4-2なので、システム上のミスマッチが生まれます。これが清水に有利をもたらします。

 特に町田はサイドハーフが清水のセンターバックとウイングバック(平河選手が北爪選手と原選手を見るみたいな)を見なければならないので負荷が増加。
 さらに清水は山原選手に代えて守備の強い吉田選手を入れて町田の攻め手、サイドの奥に蓋をします。
 61分、乾選手が下がって受けるとボランチ宇野選手がプレス。これをターンで交わすとそのまま相手陣内まで運んでシュートを放ちます。ディフレクションしたボールがゴールに吸い込まれて2-2の同点。ここは完全に乾選手の独力で奪ったゴールですが、プレーが成功した時のリターンの大きさに驚かされました。

町田の選手交代とシステム変更

 試合後の黒田監督のコメントにもあったように、町田もスライドしながら耐えてはいましたが、負荷の増加により徐々に強度が落ちてきます。

”4バックで崩されていなかったものの、後ろも疲弊し、中盤も相手を捕まえられない状況になっていたために3バックに変える判断をしました。”

試合後の黒田監督コメントより

 64分に町田は3枚代えからシステムを3-4-2-1に変更。マッチアップを完全に噛み合せてずれを消しました。
 しかし前からプレスしていくと、1対1で剥がされた時に中盤にスペースが生まれやすくなります。そこで町田は少し引いて5-4-1気味のブロックで守るようになっていきます。
 清水は押し込めてもスペースを消されて崩しきれない状態に。そこで清水はすかさず白崎からオセフンに代えて3-5-2に再びシステム変更。後ろの人数を削って前に厚みを出してさらに押し込んでいきます。
 81分にはカルリーニョス選手、乾選手に代えて西澤選手と宮本選手。システムはそのままにフレッシュな選手を投入します。
 清水のシステム変更後、町田のボランチ2人に対して清水は中盤3人。ミスマッチの上に清水が後ろを気にせずぐいぐい前に出てくるため町田の守備は相手を掴みきれていません。
 84分、ついに清水の逆転ゴール。西澤選手の前のランと北爪選手の中に入っていく動きで町田のマークが乱れてワイドに開いた西澤選手がフリー。クロスをサンタナ選手がヘッドで決めます。
 町田はデューク選手を入れて前の圧力を上げてチャンスを作りましたがゴールはならず。そのまま試合終了の流れでした。

 

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