プレーオフ決勝が終わって思ったこと

 昇格プレーオフ決勝、東京ヴェルディ戦は1対1の引き分け。J1昇格の道は最後の最後で断たれてしまいました。

 結果についてはとても残念です。しかし内容にはある程度は満足してます。この2試合ではエスパルスができることを出し切ってくれたと思います。

 特に準決勝、山形戦は今期一番と言っていいほど心に響く試合でした。失意の水戸戦の後、メンタル的に非常に難しい時間を過ごしたことでしょう。
 それでも2週間でメンタルを立て直し、試合に向けては様々な想定をしながら準備に準備を重ねてた様子がうかがわれます。
 上手くはまらない試合の序盤を踏ん張り、前半の内にチームで意思を統一して押し返し、最後はきっちり守り切る。見事に勝ち上がりというミッションを達成してくれました。素晴らしい試合でした。

 決勝のヴェルディ戦も結果は当然残念です。しかしチームができることは充分発揮してくれたと思います。
 PKを取られた高橋選手のスライディングに賛否はありますが、僕には責めることはできません。
 球際に強くいくこと、サッカーの本質は1対1に勝つこと。これがリーグ戦から取り組んだこのチームのコンセプトです。それに懸命に取り組んだ結果、あの場面で本能的にあのようなプレーが出たことは責められません。

 そもそも失点の原因を指摘するならその直前のプレーに触れなくてはフェアではありません。

 「ボールを前に早く送ればそれだけ早く帰ってくる」、「サッカーで大切なのは次のプレー」。これは自分にとって大切なサッカーの原則です。

 陣形を整えずに前に出して奪われ、そのままダイレクトに前に出されて裏を取られました。しかしこれがエスパルスのサッカーです。「最短、最速で前に向かう」サッカーでこれまで結果を出してきたのです。ここでこれまでと違うプレーができるでしょうか。
 
 この試合で行ったプレーの選択は僕らエスパルスが日常取り組んだ末に出てきたプレー。これらのプレーが過ちと言いたいわけではありません。僕らが選択したプレーで負けたのなら今はそれを受け入れるしかありません。
 
 プレーオフは特別な試合ですが、結局は日常の延長線上のものしか出せません。特別な試合だからといって日常と全くずれたものでは勝負できないのです。エスパルスは今の自分ができることで全力で勝負してくれたのだと思います。

 結果としては昇格ならずでしたが、落ち込んだり、怒ったり、悲しんだりといった強いネガティブな気持ちはありません。ただ今は脱力しています。気持ちに力が入りません。来年への希望もありませんし、この後どういう姿勢でエスパルスを見ていくかも想像できません。

 最後に。選手の皆さん、スタッフの皆さん、そしてサポーターの皆さん。長いシーズン、厳しいプレーオフの2試合、本当にお疲れ様でした。今、心に浮かんで素直に出てくる言葉はこれだけです。

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