「アドラッカー」的ロジャーズ『クライエント中心療法』の読み方

「現代カウンセリング」の父と言えるロジャーズ… なかなか文献を手にすることが出来ませんが、ロジャーズに関する書籍は多数あり、私は佐治・飯長両先生『ロジャーズ クライエント中心療法』をお薦めしています。

この本の特徴は、ロジャーズの伝記のように人や研究を簡単にまとめてある点に尽きます。特にロジャーズの「科学観」の論評は素晴らしく、師の心理療法への思いやその実証への情熱と苦労がよくわかります。特に初期の偏見や中期の科学的失敗には驚きます。ほんの7-80年前にまだ科学的実証が確立されてなかったこと、研究法や測定技術が未発達だったこと、それを躊躇せずに続け、発展させたこと… 良い勉強になります。

そしてこのことがマネジメントにとても親近感が湧く内容であり、失敗した研究がマネジメントそのものだったりします。ロジャーズは「クライエント中心療法は道具でしかない…」旨を述べています。発展、公式化(定型化・理論化)、更なる発展を目指していたようです。

セルフマネジメントだけでなくマネジメント実践者、組織マネジメントの多くに読んでいただきたいものです。

不明点はご質問ください。

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