管理しすぎる私たちへ…『人事を尽くして天命に聴(まか)す!』の心意気で!

マネジメントを研究する者として社会に出て真っ先に思うのが、「管理し過ぎる」ことです。計画、実践、結果に至るまで管理しては、人はやる気を失くします。

12世紀、南宋の胡寅が記した『読史管見』に、「人事を尽くして天命を待つ」の逸話があります。東晋王朝時代に異民族に攻め込まれ、謝安将軍の全力を尽くした姿や、どんな結果になろうとも後悔はないという覚悟を見て、「人事を尽くして天命に聴(まか)す」と記したことが由来といわれています。素敵なマネジメントな逸話です。

度々、多くの組織でPDCAのような事業計画とその結果の戦略ミスを見ます。計画は絶対!、戦略をいじるな!っていう方も多いですが、新たな事業で「根拠に基づいた…」はあり得ません。ドラッカーが述べる「すでに起こった未来」を参考にするのならわかりますが… これは特殊技能です。だからこそ、自分たちのできることをやる、やり続けるだけです。次第に成果があがり、びっくりするような成果になることを願うだけです。

今や未来は予測出来ません。きっとぼんやりと予想できるくらいです。完全に成し遂げる計画はありません。出来ても最低限度であり、書き換え続けることで計画を実行し続けるくらいです。また、我々がつくった計画を越える成果をあげたいのがマネジメントの目的だったりもします。この時、新たな事業の意味や成果のダイナミックさは、正直言ってまだよくわからなかったりします。だからこそ「人事を尽くす」わけですし、出来ないことは「天命に聴せる」かのような態度で、しばらくは成果を待ちたいものです。

「PDCAサイクルをまわして管理を!」って言うのではなく、「人事を尽くして天命に聴せよう!」と言いたいものです。

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