美貌の青空

虹の果て
旅に病んで
目を開いたまま
夢の中にいる

繰り返す
春の日の
短い記憶に
留まり続けた

瞳孔は
魂の傷口
美貌の青空を
映している

花嵐が
空を薄紅に染め上げ
花弁の隙間に
月が解けていく

愛しい人の
忍び声が
風で届かない
くりかえしくりかえし





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