ただひたすら仕事をする

あの時、別の道に進むべきだったのか。自分の人生はこれで良かったのか。4回生になって何度もこういった自分の人生を振り返る場面があった。そう思ってみると、中学受験をして私立中学に進学を決めた時、高校でそれまでやっていた野球からソフトボールに転向した時、大学受験をして東京の大学が全部落ち、関西の大学がいくつか受かった際に現在通っている大学を選んだ時、同じように自分の人生はこれで良かったのかと悩んだ。しかし、自分が歩んできた道は、すでに自分の歴史になっている。つまりもうどうすることもできない過去である。それならば、「これで良かった」と踏ん切りをつけることが、その先に進んでいくための原動力になるのではないだろうか。内定をもらえたのも今までの経験があったからだろうし、これからどのように働いて成長していくかも、今までの成長経験を踏まえて自分の方法を考える。今まで歩んだ過去はすべて自分の原動力である。

よく「人目を気にせず、自分がこうだと思ったことをやれ」を言われる。しかし、社会で働くことにおいてこれほど難しいものはない。それができる人は一流になれると言われても、自分だけでは何も変わらない場面や、日々の仕事に追われている際にはなかなかできないだろう。そこで私は「自分がこうだと思ったこと」をやった先には何があるのかを考えた。すると、最終的に「結果」を残せば誰も文句は言わない。という答えに行き着いた。どんな手を使ってでも(もちろん悪いことはせずに)結果を残した方が企業にとってはプラスである。それが評価されることで自分にもプラスは生まれる。それならば、どんな手段を用いても結果を残した方がいいに決まっている。そこで必要になってくるのが「人目を気にせず、自分がこうだと思ったことをやる」である。やはり、モノを言うのは結果なのだ。残した結果でした語れないものがある。

初めから特別な能力を持っている人はいない。いわゆる素質の有無に左右されるのは否定しないが、人事の方々が見極めた精鋭たちである。入社時おいてほとんど差はないだろう。全員同じように期待されている。何なら一年目でも差はそれほど生まれないかもしれない。それならば、素質だけに頼った人より、死に物狂いでトライした人の方が成長するに決まっている。むしろ死に物狂いで取り組むしかない。どんな仕事でも、または勉強でも、失敗したって命まで取られるわけではない。悩むのも恥ずかしいと思わない。「今日は何もできなかった」と言っている方が恥ずかしいし、何のために会社に来ているか分からない。じゃあ寝させてくれ!!

どんな仕事でもそのうちに経験が生きることはあるだろう。そのためにはまず、「ただひたすら仕事をする!」ことが今の自分には必要だと思っている。ただひたすら仕事をすることで様々な発見があるかもしれない。現在のシステムを所与のものとしてそのシステムの中でどのように「うまくやるか」を考えるばかりでは見つからなかったものが、ひたすら仕事をすることによって「疑問点」として発見し、そのシステムを良いものに変えていくことに思考も行動も集中することができるようになる。自分がどのようなシステムに組み込まれているのか、自分がやっている目の前の仕事が、システム全体としてどのようなインパクトを社会に与えているのか、それを俯瞰して空間的、あるいは時間的に大きな枠組みから考えることが必要。つまり「当事者意識を持って行動する」ということである。「これはおかしいのではないか。もっといい方法はないか」ということを常に考え続けることで、自分も企業も成長していくのではないだろうか。漫然と日々の仕事をしているだけの人と比べると、一段階も二段階も視座が違うだろう。また、本当にやり続けられれば、自分ほど仕事に打ち込んだ人は他にいないという自負からさらに「他の同期には負けたくない」というプライドが生まれてくるだろう。そのプライドがまた自分をいい意味で追い込み、成長させる原動力となる。自分自身の仕事・役割・求められていることは常に何かを考え、自分なりに全うすれば、周囲の誰もが何も余計なことは言わなくなる。もちろんそれだけでは人が付いてこないのはわかっている。それでも、周りと差をつけるために、いつか人に認められ頼られる存在になるために、今自分がやることは「ただひたすら仕事をする」ことであると考える。

この「ただひたすら仕事をする」を心がけていれば、何をやってもうまくいかない時や満足できているがもうワンランク上の結果を残したいと考えている時にも基本の基本をおろそかにしないだろう。おろそかにしないようになるだけの量の仕事を今までしてきたのだから。どうしても、基本の基本は「当たり前のこと」として意識しなくなる。大きなプロジェクトを成功させたい、顧客を満足させたいという目標や夢は、仕事を行う上でモチベーションとなるが、そう言った時でも基本を忘れないことができるように「今」土台を作っておかなければならない。一年後にその土台が無く「これってどうすればいいんですか?」なんて聞けない。ダサすぎる。聞くに聞けなくて仕事ができないのはもっとダサい。恥ずかしくないうちにどれだけ失敗をするかが一年後を左右するだろう。この点から見ても、「ただひたすら仕事をする」ことは「今」しかできない、絶対にすべきことであると思う。逆に考えると自分たちだけの「特権」である。使わなくてどうする。同期のみんなにこんな特権があることを教えてあげたい。失敗すること以外にもう一つ私たちには「特権」がある。TTP(徹底的にパクる)である。「ただひたすら仕事をする」にも、オリジナルで全てがうまくいくことはない。その企業にとってこれが良いとされているものには必ず理由がある。先輩たちが築いてきたその方法をTTPすることができれば、オリジナルで取り組むよりも何倍も早く成長できるに違いない。TTPしていったものの中から、自分はこうした方がいいと思うところを見つけた時に、「人目を気にせず、自分がこうだと思ったことをやる」でオリジナルに変えていけば良いのである。これを「守破離」というが、まだ自分には「破」と「離」は早い。「破る」ものと「離れる」ものがない。同じような考えで「変化」について述べられているものがあった。「現状維持は衰退」に関する文章であり、変化を求め続けましょうといった内容のものが書かれていたが、それを読んだ際にも「自分には変化させられるものはないな。よし変化させられるものを作ろう。」という飲み込み方をした。そこまで自分で理解している上で今必要なことは?と聞かれるとやはり「ただひたすら仕事をする」ことになる。どの角度から自分を問い詰めても結局これに行き着いてしまう。じゃあやってやりましょう!後のことは後で考える!

ここまでハード面について述べてきたが、私にはもう一つ抱負(というかやらなければならないこと)がある。今までの文章とは少し矛盾してしまうかもしれないが、それはまだ完全にこの言葉について理解していないからだ。もっとこの言葉の意味を知り、必要性がはっきりとわかった際にもう一度発信したい。

それは「信用貯金を貯める」ということである。知っている人も多いかもしれないが、私はこの言葉を西野亮廣の「新世界」という本で初めて見た。お金を稼ぐもの必要であるが、これからに時代に必要になってくるのは信用を貯めることだという話である。信用貯金は置かれている状況によって細かく変わってくるようであるが、今の自分においては「社会の人から求められていることに応える」であると思う。仕事をきちんとこなすことはもう述べたので省略する。他に求められることとしてあげられるのは、もっと根本的な部分であるホウレンソウを徹底することや、礼儀をきちんとすること、身だしなみをきちんとすることなどの「社会人として」の要素であると思う。そういった「信用貯金」を貯め続けることが結果を残すことだけでは獲得できないもの(この獲得できるものというのが自分にはまだ完全に理解できていないので、ぼやかしておく。)にたどり着く秘訣なのだろう。やっぱり、ここがきちんとしている人は可愛がられる傾向にあると思うし、成功もすることが多いかもしれない。

この「信用貯金」の厄介なところが「すぐに無くなる」ということだ。どれだけ信用を貯め続けても一度私が大きな失敗(仕事上ではない場面で)を犯すと、一瞬で消え失せてしまう。この点に関しては、本当に恋愛に似ているなと感じる。どれだけ好きな人に優しくしていても、一度ミスをしてしまえばもう私への信頼はゼロである。それがもしその人のどうしても許せないことであれば、その信用は二度と回復することは無いだろう。つまりこの「信用貯金」を貯め続けるためには、失敗をすることができないのだ。失敗というよりむしろ「気が抜けない」といった方が正しいかもしれない。先ほど述べたように、このような「当たり前」の部分はおろそかにすることが多い。最初は初めての環境に慣れておらず緊張感もあるため、髪型もきちんとするし、スーツも完璧に着るだろう。メールも一瞬で確認し、即リプをするだろう。しかし、「慣れ」が生じてくる段階に入ると、すぐに気を抜いてしまい、おろそかになる。その中にもしおつきあいしている企業からの重要な連絡があれば、大戦犯である。「慣れ」は本当に怖い。これも恋愛に似ている。今までありがとうと言われていたことが言われなくなった時の相手に対しての不信感は後々どうしても気になってくる。そういったことが絶対に無いように、信用ゼロの「今」この「信用貯金」に取り組まなければならない。

まとめ

課題のお題が「NCGの一員としての抱負」であるため私の抱負を一文にして宣言しておく。私の抱負は

「ただひたすら仕事をする」

「信用貯金を貯める」

である。まだ企業で働いていないため、細かい言葉は変わる可能性があるが、大まかにはこの2つを心がけ、またワンピースのルフィーの「海賊王に俺はなる」のように周囲に宣言もしながら、戦っていきたいと考える。

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