Sunset Rollercoaster(落日飛車)/ Jinji Kikko
2014年の年末から2015年のはじめにかけて台湾旅行をした。それ以前に家人が友達と台湾に行って良かったからというのがきっかけで、台北市内しか巡ってないが、特に夜市でいろいろ食べたのがとても良かった。これがきっかけで我が家は一時期台湾ブームだった。
その後、2016年の後半か2017年始めごろに神田あたりで台湾フェアみたいのがあって出かけたのだが、その時に台湾の音楽CDが並んでいるところがあった。その時に見かけて、気になったのが以下のジャケット。
Burgundy Red
My Jinji
New Drug
台湾のサンセット・ローラーコースタ(落日飛車)のCDで、その時のポップには「サイケデリックなAOR」と書かれていて、おおっ!と反応したものの、その場では試聴できなかったのでスルーしてしまった。
しかし家に帰ってからもどうも気になってしまい、バンド名だけは覚えていたのでYouTubeで聴いてみたら、とても良い感じで、バンドのことを調べていくうちに買っておけば良かったと後悔してしまったが、すぐにBandcampでデジタル音源を購入した。
"Jinji Kikko"はEPで3曲入り。何よりも素晴らしいのが2曲目の"My Jinji"。
Jinjiとはボサノヴァの曲"Dindi"から来ていて、Dindiはブラジルの歌手、シルヴィア・テリス(Sylvia Telles)の愛称であって、作曲したアロイージオ・ヂ・オリヴェイラ(Aloysio de Oliveira)の奥さんだった。
で、"My Jinji"は「愛しい人」みたいな意味だと何かのインタビューで知った。つまり歌っている内容はラヴソングなのだが、何が素晴らしいかって、曲の展開がたまらんのです。
6分40秒ある曲だが、最初の3分ちょっとは歌パートで、3分10秒ぐらいからギターソロが始まり、曲調が変わってジャムセッションが続く。そして歌に戻ることなく、唐突に終わる。
この展開が良すぎて、何度聴いたか分からない。もし自分が音楽をやる人だったらこんな曲を作った彼らに嫉妬してしまうと思う。50歳になる手前、40代で聴いた曲の中で最高の1曲である。
それにしても本当に残念なのは、この曲も、サンセット・ローラーコースターというバンドも、知る人ぞ知るといった存在であることだ。アジア圏の音楽をチェックしていないとまずアンテナに引っかからないだろうし、そもそも(特に)俺らの世代なんて「欧米こそ至高」という考え方が強いだろうし、きっといまでも「アジアの音楽なんて・・」と下に見る人も多いに違いない。彼らが英語圏のバンドだったらと、つくづく思う。
ちなみに、写真に載せたジャケはライヴを観に行った際に物販で買ったアナログ盤。なんだかんだでこれまでにライヴ4回ぐらい観ている。最新だと去年のサマソニ。
ジャケ写だけで、一体どんなやつらなのかというのを説明するためにも、ライヴバージョンを貼って終わりとしたい。
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