読書ノート 宮本輝 「道頓堀川」p34より
「船に乗って行く 別々のところで生まれた 俺という数千人が 同じ船に乗り合わせて 流れていく」
この詩は宮本輝さんの「道頓堀川」という小説の中に主人公が拾った見知らぬ老人の手帳に書かれている詩として何度か出てきます。
そして、僕もなぜかこの詩にすごく惹かれるのです。
僕は時々、人の人生にはたくさんの次元があるのではないかと考えることがあります。例えば、ある次元の僕は、今僕が望んでいるような音楽で成功した人生を送っていて、ある次元の僕はすごく金持ちで、ある次元の僕は平気で人を騙して、ある次元の僕はとんでもなく女たらしな奴かもしれないと。そして、僕は自分の生命力の強弱によって、幾千万のあらゆる次元の人生を行き来してると思うのです。もしかしたら、金持ちの次元にいる自分は、どんだけ金があっても自分の心は満たされないと思っていて、今、僕が生きている次元の自分を羨ましがるかもしれないし、平気で人を騙す次元にいる自分は、今、僕が生きている次元の自分に対して、お人好しで馬鹿だと心の底から思うかもしれません。しかし、自分がどんな次元にいようともそれは僕自身であることは変わらないと思います。そして、どんな次元にいようとも共通するもの、その人生を自分のものとたらしめるのがその人の持つ使命であり、また宿命や業であると思うのです。20歳になっても、相変わらずこんなヘンテコな文章を書いている自分の次元は高いのか低いのか分かりません。正直に言います。僕は女たらしの次元の自分に少し、いや結構憧れています。(笑)
最後まで読んでくださりありがとうございます。
実は僕はフリーでシンガーソングライターの活動もしておりまして、YouTubeに自作の曲を投稿しています。よかったら聴いてみてください!
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