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詐欺師から電話がかかってきて、面白いなと思った話

突然だが、あなたは今までの人生で何回、詐欺師と話す事があっただろうか。

また、詐欺師と話す事は好きだろうか。


大抵の人は、詐欺師と話す事はごく稀だし、そもそも詐欺師なんかと話したくない筈だ。

自分も今日、日本に帰って来てから、久しぶりに詐欺師と話すことが出来た。というか向こうから勝手に電話がかかってきた。


話の顛末はこうだ。

日曜日の夜7時半すぎ、自分は1週間の疲れがたまっていたのか、とにかく眠かった。

今日は早めに寝ようか。


ーその時、電話がなった。

(誰?)

全く知らない番号だ。


「はい、Satouです」

「あっSatou様でしょうか?」

「はい?」

(ここで感心するのは、自分が電話口で名字を名乗った瞬間に、それを確認している所)


「私、○✕株式会社(聞いた事ない会社名)のヤマザキ

と申します」

(誰?)

「はい?」

「本日お電話させて、いただいたのは弊社取り扱いの2025年大阪万博開催に伴う、優良物件のご紹介になります!!」

(なんだそりゃ?笑)

ここから、話は一切途切れない。

「今回は、Satou様にだけ特別に、この弊社優良物件を特価販売にてご案内させていただきます!その額、なんと一千万円です!」


ヤバい。これは非常に面白い事になってきた。


当たり前なんだが、この時点でこの男が詐欺師である事には気づいた。電話を切ってやろうか。

いや、この男の話を聞いてみたい。是非、続きを聞かせてくれ。この時点で、眠気も疲れもぶっ飛んだ。


「今回の物件は、大阪梅田にあります一等地、また昨今の日本の働き方改革、引いては人生100年時代を見据えてお客様が安心・納得出来るご契約プランのご提示をさせていただく次第で…」


ここからは早口過ぎて、全く内容が頭に入ってこなかった。笑

自分は純粋に、この詐欺師の饒舌さに感心した。

何故かと言うと、徹底的したマニュアル(台本)の練習の跡が感じ取れたからだ。この男は同じ事を電話口で何回も繰り返しているのだろう。

一体どこまで話は続くのか、自分は無言を貫いてみた。


そしたら、なんと三分くらいぶっ通しで喋り続けた。

お察しの通り、話の中身など全くない。

素晴らしい。


「ーところでSatou様は今現在おいくつでいらっしゃいますでしょうか?」

なんだ、そりゃ。


ははーん、この男、というかこの悪徳業者、意味不明なセールトークを三分くらい続けて、聴き手を混乱させた後に、落とし所のある単純な質問を入れて、会話を継続させるのが手法らしい。


申し訳ないが、ここまでだ。

「申し訳ありませんが、私は結構です。」

「いえ!勿論私共も別に勧誘を行っている訳ではありません!!」

「すみません、電話を切らせていただきます。」

「あ、Satou様、最後に1つだけお話させていただきたい事が…、、」


詐欺師との会話はこれで終わりだ。


いやあ、いいねぇ!!

久しぶりに詐欺師(架空請求業者)と電話で話が出来て、嬉しい。

思わず、にやけてしまう。

眠気もぶっ飛んだ。

いや、すげえな、詐欺師。よくこんな舌が回るものだ。(しかも、話の中身など全くないに等しい)


素直にその饒舌さ、滑舌の良さに感心してしまう。

自分は人と話すのが苦手だから、尚更。


詐欺師は嫌いじゃない。なぜなら、「非日常」を届けてくれるからだ。そして、見方を変えると、彼らから学ぶ所は大いにある。


何事もなく終わる筈の週末だったけど、楽しかったな。

どうせならボイスレコーダーで内容を確認したかった。

ありがとう。詐欺師。


p.s 詐欺・悪徳商法には、十分ご注意下さい。

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