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2020年の年末を迎えて

2020年は皆さまにとって、どのような1年だったでしょうか。

多くの人々にとって今年は転換期であり、多くの予定、そしてキャリアを狂わされた人々も多いかと思います。ワクチンの開発等が進むものの、未曾有のコロナウイルスは未だに終息の目途が立ちません。

私自身にとっても、今年は変化を余儀なくされた一年でした。


(大変恐れ入りますが、ここからは「です・ます体」ではなく、口語体で文章を書かせて頂きます)


2020年12月現在。

本来であれば、青年海外協力隊として、私はカンボジアにいるはずだった。それは、コロナウイルスにより呆気なく吹き飛ばされた。8月、協力隊を終えざる得ないという、悔しさの余韻に浸る間もなく、復職した。

復職。思った以上に周囲の風当たりは強かった。

挨拶を露骨に無視する人間達や、敵意剥き出しで来る人間もいた。

それは、ある意味で予想出来たことだった。というのは、私は現職参加で青年海外協力隊に参加したが、それ自体、一部の同僚や役員からは大きな反感を買っていた。その私が、コロナウイルスの影響により、急遽復職せざる得ない状況になって帰ってきたのだから。ある程度、周囲の反応は予想できた。

復職した後、しばらくは孤独だった。

朝、会社に出社する。その際に、職場の同僚に挨拶をする。しかし、周りの人間達から何も返事は返ってこなかった。


心の中で、笑ってしまった。

まさに、「招かれざる客」だと。


予想は出来た事だが、始めの内は辛かった。

会社のタスクや、社内イントラの設定等々、仕事の感覚を取り戻すのにかなり時間がかかった。周囲の視線。あの男はいつこの会社を辞めるかという奇異の視線が、辛かった。具体的な仕事が振られることもない。社内の空気感は理解していたが、これが日本の社会か、腐っているな、と思った。


いつしか、私は周囲の人間達を「敵」だと思うようになった。

だが、それが良かった。この感情は不思議と私を落ち着かせた。急に肝が据わった。(俺は、何食わぬ顔で出社し、PCの電源を入れ、定時に机に座っていれば良い。後は、好き勝手にやらせてもらう)

「憂鬱だな」という思いが、「来るなら来やがれ。ぶっ殺してやる」という気持ちに変わった。


丁度、その頃、私はある書籍を読んでいた。

それは「アメリカン・スナイパー」(クリス・カイル著、田口俊樹訳)という本だった。

(ここでは、書籍「アメリカン・スナイパー」に関して詳しく述べません。もし、お時間ある際は、この書籍に関して調べて頂ければと思います)

狙撃手、クリス・カイルは言う。「愛や慈悲という言葉は、人間を動かす上で、クソの役にも立たない。力、そして暴力が人を動かす。世界はそう動いている」とー。

その通りだ。敵意を見せる相手に理解や譲歩などをする必要はない。

そして、その気持ちは、私を前向きにさせた。

皮肉みたいだ。私は数か月前まで、国際協力というものを考えていた。それが今はどうか。180°真逆の事を考えている。国際協力などクソくらえだ。


そう、思っていた。

しかし、私の考えや行動に理解を示して下さる上司もいた。協力隊での経験や知識を生かして欲しいと言われた。本当に嬉しかった。

徐々に、こういう風に言ってくれる人達の想いを失望させたくない、という気持ちに変わった。というより、変わりつつある。


今この年末を迎えて、私の中にはある想いが去来している。それは、絶対に離職しないでやろうという気持ちだ。というのは、現職参加した協力隊員の離職率はかなり高く、民間企業とJICAの足並みが揃わない理由の一つとも言われている。だったらこうだ。

ーその真逆を行ってやる。

クビになるまで今の仕事は辞めないだろう。


私は、自分自身がいる分野や業界が好きだ。理不尽な事や偏見を受ける事も沢山ある。しかし、この環境変化の中である意味、それらに対する耐性のようなものも得れた。好きな事が出来るのであれば、ある程度、屈辱にまみれても良いと思える図太さが生まれた。

私自身は変わっていない、だが何かが変わりつつある。


2020年も残り僅か。今年は本当に濃い1年でしたが、その中で、多くの方々に助けられました。改めて感謝申し上げます。

最後になりますが、2021年が皆様にとっても、本当に素晴らしい年になるよう願っています。

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