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英語の時制はいくつある?

学校での英語の授業で割と早いうちから「時制」(英語ではtenseと言います)ということばに触れますが、日本語の時制ということばはあまり馴染みがないように思います。これについて解説したサイトがありましたので、引用させていただきます。この解説によると、英語には12の時制があるが、日本語は2つだということです。確かにこの違いが、英語の時制を理解しにくくしている要因かと、私も思います。

私も授業でよく学生諸君に「英語の時制って中学校、高校で習ったと思うけど、いくつありますか?」と質問します。さっと12と答えてくれる学生はいません。助け舟として「じゃあ、知っている時制を挙げてください」というと「現在形、現在完了形、未来形…」などど断片的には答えてくれます。でも、元に戻って「じゃあ、全部でいくつあるんだろう?」と質問すると「?」状態に戻るのです。

英語の時制は12通り

答え合わせとして私が提示しているのは、「時の区切りは、現在、過去、未来、時制を示す文の形は、「単純形またはまたは基本形と呼ばれるもの、進行形、完了形、そして忘れがちなのが完了進行形です」という解説です。これをマトリクスにすると分かりやすくなります。

よくある間違い(「〜てる」は現在進行形?)

肝心なのは、まず各時制の文がどういう形になっているか。例えば、進行形なら be動詞+〜ing の形が登場するなどです。もう一つ大事なのは、どんな状況の時にどの時制を使うべきかという点です。

英語の習い始めによく「〜ている」(または「てる」)は進行形であると習います。では、愛している(または愛してる)と走っている(または走ってる)はいずれも現在進行形でいいのか?

愛してる=I am loving you.
走ってる=I am running.

となると、これは不正解です。愛してるは"I love you."と現在形で言うべきなのです。こうした混乱は、よく見られます。日本語のA=英語のBみたいに対応した形で覚えると、こういう間違いを起こします。繰り返しになりますが、ではここで出てきた現在形と現在進行形をそれぞれどういう場面で使うべきかという本質論を押さえる必要があると思います。

動作動詞と状態動詞

現在形か現在進行形かは、よく日本人学習者が間違える事項です。この説明として、英語の動作動詞は進行形に馴染むけれども、状態動詞は馴染まないという解説がなされます。日本語だとある状態をあらわる場合も、ある動作が今行われている場合も「〜ている」(または「てる」)という表現が使われるため、どちらも現在進行形にする人が多い。例えば、私はテニスクラブに所属しているということを表すのに、多くの日本人は、次のように表現します。

I am belonging to a tennis club.

しかしこれは次のように言うのが正解です。

I belong to a tennis club.

つまり「所属している」というのは、ずっと(少なくともある一定期間)そのクラブの所属員であるという状態にあるということなので、この場合は、状態動詞(このケースでは"belong")べきで、現在形が使われます。現在形は、永遠に、あるいは一定期間ある状態にある、あるいは同じ動作が繰り返される場合に、進行形は、(ある時点で)ある動作が始まったがまだ終わっていない場合に使われます。

このあたりを、今後少しずつ解説していきます。

広島弁はすごい!動作動詞と状態動詞の区別がある方言

ここであるブログを紹介しておきます。似たような話は、高校の後輩で、広島の尾道で大学の先生をしている灰谷さんという人の講演の際にも聞いたことがありました。


そうなんです。広島弁では動作動詞には「〜しよる」、状態動詞には「〜しとる」、過去のことならそれぞれ「しょ〜った」)と「しとった」)の区分があるのです。上記の例でいくと…

I am loving you. は状態なので、「愛しとる」
走ってる=I am running. 動作なので「走りよる」(あるいは音が変化して「走りょうる」)となります。「愛しよる」「愛しょうる」とは言わず、「走っとる」とは言わないのです。広島の生徒さんには、この説明使えそうです。岡山など、中国地方なら同じかもしれません。(誰か教えて!)

昔読んだこんな本に、時制のことがよく整理されていました。話題が四方八方に広がらないうちに、退散しましょう。

今日もお読みいただきありがごうございました。Noteのコミュニティの中での交流を増やしたいと思いますので、もちろん「スキ」はたいへんありがたいのですが、「コメント」もたくさんいただけると嬉しいです。


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