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ネイティブ発音を目指す必要はないが…

学術の世界では、World EnglishesとかELF (English as a Lingua Franca), BELF(Business English as a Lingua Franca)という言葉が使われており、学術の世界やビジネスの世界において英語が事実上の共通語となっているという現実があります。(因みに"Lingua Franca"というのは、「世界共通語」という意味です)この流れの中で、「英語というのは、コミュニケーションの単なる道具だから通じればいいんだ」という意見が比較的一般的になっているようで、ネイティヴ英語を英語学習のゴールとしなくてもよい、あるいは、するべきではない」という考え方が広まりつつあるようです。

 しかし、そうなると、どこまでが英語で、どこからは英語でなくなるのという境界線が不分明になるのではないかなと思う人が多いのも道理で、私もそうした意見を持つ者の一人です。なるほど、英国のジェンキンス先生という方は、こうした流れを意識してか(定かではありませんが)"English Core"という考え方を提唱しており、「ここまでの発音であれば英語、これを離れると英語でなくなる」という境界線を引こうとしたようです。

 そこで、私の現在の結論は、「ネイティブをお手本にするばいいのでは」というものです。ネイティブスピーカー(これだって多くの国々の人を指すわけですが)の話す英語は、間違いなく英語ですから、英語として通じるわけです。

 そこで次の疑問は、「どのネイティブスピーカーのもの?」ということになります。証拠となるデータがあるわけではないですが、例えば、金融の世界を見ると、多くの新技術はウォール・ストリートで始まり、それが世界中に伝播していくという流れから、アメリカ英語が主流になっているようですし、他のビジネス分野でもその傾向はあるようです。(先日ある国際弁護士の講演を聴く機会がありましたが、その方も、ビジネスを目指すなら、あるいは、私のような国際弁護士を目指すならアメリカ英語を学ぶのがいいと思うと、高校生に向けて言っていました)

 ということで、少なくとも現在は、アメリカ英語を聴ける、話せる学習者を育てようという意図で、大学での講義や企業研修に取組んでいます。そんな中で、アメリカ英語の発音の特徴をまとめたプログラムも皆さんに届けることとしました。

ご興味あれば、こちらで学習してください。


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