見出し画像

過去の自分に言いたいこと(3)


過去の自分を振り返ってみて反省することは本当に山ほどあるなあとつくずく思います。今回は3つ目ですが、それは自分には巡り合わせがなかったことなのでないものねだりかもしれないことです。それは、学生時代に大人と交渉する役割を担う仕事をやるべきだということです。裏方仕事と言っても良いかもしれません。

大学時代に体育会のテニス(硬式の方です)に入っており、4年目は柄にもなくキャプテンという仕事をすることになりました。柄にもなくというのは、私自身は、リーダーになって大勢の人を引っ張るということに向いていないことを自覚していたためです。

一方、地味に見えるけれども、こうしたクラブ活動の中で、後々大きな財産となる資質を得ることができるのが、裏方の仕事だということが分かりました。組織的にはキャプテン(主将)の下にあるマネージャー(主務)というポジションがそれに当たります。

その仕事には、クラブ運営のために部費の徴収を行う、OB会と折衝して寄付を募る、そのための交流を行うためのOB回の下準備を行う、合宿などを行うために宿泊先やテニスコートの確保を行う、遠征の計画を立てる(含む交通機関の手配)、そして部誌の作成(原稿の寄稿を多くの方に依頼する、なかなか書いてくれない寄稿予定者に督促をする、なかなか書かない部員を急かせるなど)細かい事務と、時には難しい人とも渡り合う交渉毎などが含まれます。こうした経験は、社会に出るとすぐに役立ちものでしょう。もちろん、適性のある人がキャプテンを務めれば、それはそれで社会でも大いに役立つのでしょうが、私のような者にはミスフィットでした。

むしろこの主務を経験しなかったことを、今後悔しています。若い時に、友人とか数年上下の先輩後輩とだけ交わるよりは、広い層の、それも大人たちを相手に交渉を繰り広げる、細かい事務の積み上げを行うことが、実務能力、社会に出て活躍できる自分磨きには最高の場ではなかったかと思います。

私が主将だった時の主務を務めたM君は上場企業の役員になりました。またやはり同期で、合宿の際の裏方仕事を一手に引き受けてくれていたF君も。いわゆる社会に出て「えらく」なる、つまり経営者としての資質を磨くためには、こうした仕事を若い時にやっておくのがいいのかなと思います。「えらく」なることばかりが幸せだはないけれども、そこを目指すなら裏方仕事をと、それをしっかりこなした二人の友の現在の姿を見てそう思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?