バングラデシュ エクマットラでの軌跡
夏休みの宿題や定期テストがあり書くのが遅くなってしまいましたが、バングラデシュで僕が体験して来たことについて書こうと思います。
僕は8月11日から18日まで鎌倉学園の飯塚直輝先生とバングラデシュにあるエクマットラという場所に行ってきました。
エクマットラとは、渡辺大樹さんが立ち上げたバングラデシュのストリートチルドレンを保護、教育し、そこから未来のバングラデシュのリーダーを生み出すということを目標にしている教育機関です。
今回行ったのは、首都ダッカにある施設ではなくハルアガットというインドとの国境付近にあるアカデミーです。
バングラデシュに行った理由
高校1年生の僕がなぜ縁もゆかりもないアジア最貧国とも言われるバングラデシュに行った理由はぶっちゃけよくわかりません。
母に飯塚先生がどんなことをされている方なのかというのを聞き、バングラデシュに行くみたいなんだけど行ってみたらと言われ直感的に行きたいと思いました。なので飯塚先生とコンタクトを取らせていただいて一緒に行かせてもらうことになりました。
後から聞いた話ですが母が飯塚先生にバングラデシュ の話を聞いたときに息子行かせます!!と行ったらしいです。社交辞令なんだろうなと思っていたらビザどうしましょうかという連絡がきてとても驚いたそうです。
ダッカでの生活
空港のターミナルを出てバングラデシュの空気と初めてご対面した時に本気で命の危険を感じました。
ターミナルの中もそこそこ暑くこれくらいならまだ大丈夫と思っていたら外はその倍くらいの気温でまるでサウナのようでした。
ターンテーブルで1時間くらい荷物が出てこない、タクシーが道迷って10分くらいでつくはずの宿に1時間かけて行ったなどのハプニングはありましたが、無事「ながさき」に到着することができました。
しかし、日記を書いて寝ようとしたら出発まで1時間もありませんでした。
どうにか寝ようとしましたが寝れず出発の時間になってしまいました。
いよいよ念願のエクマットラアカデミーへ
名古屋大学の綿貫竜史さんと「ながさき」で合流し、ダッカから車で2時間かけてエクマットラに行きました。
交通ルールは無茶苦茶で割り込みしまくる、法定速度の2倍でハイウエイをぶっ飛ばす、クラクション鳴らしまくるなど日本ではありえないような体験ができました。
飯塚先生が話すチャンスを作ってくださったのもありますが、子供たちは超積極的にコミュニケーションを取ろうとしてきてくれたり、バングラデシュのことを沢山教えてくれたり、散歩に連れて行ってくれたりしました。みんな太陽のように明るい子でやや内気な性格を思いっきり捻じ曲げてくれました。
アカデミー到着直後に経験したイード
到着すると腰を下ろす暇もなくイードが始まった。イードというのは翻訳すると「犠牲祭」とされてしまうが、そこまで悪い意味はない。
イードの目的は、貧しい人にも肉を分け与え、みんなが幸せになるというもので、日本でいうと正月のような行事です。牛や羊を購入し、それイードの当日にアカデミー全員で殺め、食事で頂きました。
2ヶ月経ってしまった今でも、最後を察知した牛の生きたいという思いが込み上げてきたあの鳴き声は忘れられません。
このイードのおかげで今までは当たり前にスーパーに肉が置いてある環境なので命の有り難さを忘れてしまっていましたが、命の有り難さ、尊さも思い出させてもらいました。これに加えて、今までの自分の生活がどれだけ恵まれていたのか。そのことにも気づかせてもらいました。今まで普通だった当たり前。当然その当たり前を当たり前に過ごすことができない人もいることを胸に焼き付けて、当たり前に感謝しながら生きていこうと思いました。
アカデミーでの生活
熱帯ということもあって、朝からずっと気温30度だったのでこの調子だと暑すぎて寝れないなと思っていたら運よく、アカデミーにいた日の寝る30分前から毎日雨が降ってきてくれたのでぐっすり寝ることができました。
食事は全てカレーでした。しかし、イードで殺めた牛の肉、池でみんなで釣りをした時に捕まえた魚、ジャガイモ、里芋など食材が毎食違ったので全く飽きてしまうことはなく、食事の時間もみんなが積極的に話しかけてくれたのでとても充実した時間を過ごすことができました。
他にもアカデミーの敷地内を子どもたちが案内してくれたり、持っていったトランプを使ってババ抜きをして遊んだり、大人も交えてサッカーをしたりしました。
子どもたちが寝た後は大人だけでウミガメのスープ問題を全力でしたり、今の日本の教育について話し合ったりしました。この時間からはとても多くの素晴らしい発見を人生の先輩方からさせて頂きました。
特に僕が提案した「人狼」ゲームのおかげで睡眠時間が4時間くらいになってしまいましたが、人狼になった時、自分の思いをいかに相手に気付かれないようにすることがとても大変でしたが、日本に帰ってきてから自分が苛立っているのを隠すのが上手くなったのか、やったやらないのいがみ合いが続いていた文化祭を上手くまとめることができました。
日本に帰って来てからの気づき
夏休みが終わり、元の学校生活に戻ってから3週間経った頃、学校から夏休みにした活動を高校1年全体に学年全体で進路意識を持つため(?)に発表して欲しいと言われ、クラスの代表として発表するスライドをまとめていた時、ふと教育の無限の可能性を思い出すことができました。
エクマットラにいたあの素晴らしい子どもたちはみんな元々はストリートチルドレンで、自分とは全く違う人生を歩んできたのに、初対面の外国からいきなりきた人と母国語ではない言語で会話をしている!これは教育の賜物ではないか!
先進国の中でも遅れていると言われている日本を変える方法は教育しかない!とその時思いました。
これからは一人でも多くの方にこの体験を知っていただき、教育の大切さを改めて実感して欲しいと思いました。