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前科者と呼ばれても、政治家として闘うワケ

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ー私を誰が嵌めたのかー 市長当選、逮捕、無罪判決、逆転有罪判決、そして、これから。 新聞やテレビでは報じられない事実を、私の目線から綴ります。
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#刑事

#47 父からの手紙、母からのジャージ

取調べの20日間、それから先が見えない勾留期間。 「よく頑張ることができたね」と言われますが、多くの人たちのおかげで、私は乗り越えることができました。 市長として、政治家として、多くの人からのメッセージに救われました。 家族や大切な人からの励ましが、個人としての弱い私を支えてくれました。 >>>>>>>>>> 多くのお手紙や応援メッセージ、寄せ書き。 市民の皆さん、市役所職員さん、ご縁のある方々。本当に多くの方からいただきました。 これらの内容を弁護士の先生から伝えてい

#46 本当にあった留置場エピソード

留置場での生活については、前話で紹介しましたが、その他の... ・入って早々に"市長"と呼ばれたこと ・被疑者として警察官が来たエピソード ・護送車に乗った時のエピソード ・担当さんたちの話 私にとって印象深かったことをいくつか紹介したいと思います。 >>>>>>>>>> 留置場では、今でも忘れられない出来事がいくつもありました。 まずは留置場に入って間もなく、数名から"市長"と呼ばれたことについて。 取調べが終わっても続いた接見禁止。外部からの情報は、弁護士との面会

#45 留置場での一日

留置場生活は、経験することはもちろんのこと、これまでの生活では知ることもなかったことばかりでした。 お風呂は5日に1回。 お金を払えば頼める冷めたメニュー。 菓子やパン。 平然を保ち、過ごそうとしましたが、その一つ一つのことが、留置場にいることを痛感させる日々でした。 "102番"こと、藤井浩人の留置場でのスケジュールをご紹介します。 >>>>>>>>>> 8:00 お風呂は、まさかの午前中。5日に1回だったと記憶しています。 はじめは、その回数の少なさに驚きました。

#44 私の名前は、102番

逮捕からの取調べが終わり、ようやく身柄が解放されるのかと思いきや、裁判所からの許可は無く、勾留は続きました。取調べが無いことで、朝から晩まで留置場で生活をすることになりました。 2012年に一世を風靡した映画『レ・ミゼラブル(日本語版)』。主人公のジャン・バルジャンは窃盗により収監され、"24653"と呼ばれていました。 まさか自分が番号で呼ばれる日が来るとは... >>>>>>>>>>> 留置場での生活について紹介します。 私の名前は"102番"。名前では呼ばれません

#43 最後の取調べ

任意同行の日から、刑事と検事による取調べが毎日続きました。 手錠をつけ、パイプ椅子に座り続ける一日は、とても長く感じました。 毎晩寝る前に、その日のことをノートに綴りながら、残り8日、残り7日、6日、5日...と、勾留の日数を数えることで気を紛らわす毎日でした。 もしかすると、再び事件をでっち上げられ、再逮捕で更に20日間の取調べが行われる可能性も聞いていました。 そして、ようやく迎えた最終日。 新たな証拠も証言も出てこない中、捜査機関は、どう締め括るのでしょうか。

#42 日常を奪う人質司法

勾留理由開示公判で、裁判官がいかに頼りないものなのかを実感しました。 そして、勾留取消請求は却下され、さらに10日間の勾留延長が決定しました。 弁護団は、私を一日でも早く不当な勾留から解放するために、できる手段全てに着手。 それぞれの手続きごとに新たな書類が作成され、提出前には必ずアクリル板越しに確認してサインをしました。 しかし、その努力も空しく、すべての手続きが却下されました。いわゆる"日本の人質司法"の大きな問題を身をもって経験することになりました。 >>>>>>

#39 祝儀の金額、デートの内容

警察、検察による捜査の手がどんどん拡がるにつれて、浄水プラント、選挙活動、政治活動、塾の関係者など、多くの関係者が巻き込まれていきました。 対象者や内容から見ても、証拠を探すためだとは到底思えませんでした。 多くの人を苦しめ、私を精神的に追い込み、さらには世間に悪い評判を広めることが目的であると思えるほどに・・・。 ■登場人物 私:藤井浩人
 Y刑事:愛知県警刑事、任意同行から私を担当。逮捕前の取り調べから、積極的に恫喝。 >>>>>>>>>> 「そうそう、検察から連

#38 無茶苦茶な捜査

取調べはアンフェアそのもの。 資料や証拠をもとにした質問はほとんどないばかりか、事実を歪曲した質問もされる有様でした。すべてが警察都合のやり取りでした。 それは取調室だけでなく、美濃加茂市や事件の現場とされる場所などの捜査でも同じでした。 多くの人が捜査機関に呼び出されました。 捜査機関は、ストーリーを正当化することに必死でした。 >>>>>>>>>> 取調べが続くと同時に、刑事が「美濃加茂市を焼け野原に」と予告したとおり 私の市長選挙において中心的役割を果たしてもら

#37 アンフェア

逮捕、勾留が決定すると、捜査機関は10日間、さらに延長10日間の合計20日の間に、取調べを行い、必要な証拠を整えます。 逮捕直後は、恫喝や脅迫のような言い方で、私を精神的に追い込もうとしていましたが、日が経つごとに刑事の取調べ時間が少なくなり、検事の取調べの時間が増えていきました。 彼らがどのような作戦で、どのような証言を取ろうとしているのか。全く検討がつきませんが、明らかに「不公平で反則だ」と言いたくなるような取調べでした。 ■登場人物 私:藤井浩人
 K検事:検察官

#36 人は損得勘定のみで動くのか?

毎日のように続く取調べ。 刑事と検事の質問からは、 「人は利益のために行動するものであり、金をもらわないのに、人のために行動なんてしない」 損得勘定が前提の価値観でした。 政治家という職に身命を賭していた私からすると、到底理解できない思考回路で、そのたびに 『政治家として何のために活動するのか』 そんなことを改めて考える機会になりました。 正義を担うはずの彼らこそ、立身出世のための手柄や名誉という私利私欲、組織の損得勘定で動いているのではないかと思えてなりませんでした。

#35 捻じ曲げられた唯一の証言

贈収賄があったとされる現場には、詐欺師中林氏以外に、もう1人の同席者である政策コンサルタントのT氏がいました。 私の逮捕は、不可解の連続。 その中でも不可解であったことの一つが、捜査機関は証人ともいえるT氏の証言を無視して逮捕を強行したことでした。 ■登場人物 私:藤井浩人 
中森氏:詐欺師。私に浄水プラントを提案しながら、その裏で数億円の融資詐欺を実行。私に30万円の賄賂を渡したと証言。 
T氏:私に中森氏を紹介した人物。 >>>>>>>>>> 私に中森氏を紹介した

#34 悪魔の証明

無実を証明することを"悪魔の証明"というそうです。 例えば、「美濃加茂市に犬が存在すること」”あること”を証明するには、犬を一匹見つければOKです。しかし「美濃加茂市には犬が存在しない」"ないこと”を証明する場合、どのような手段があるでしょうか。「いない」と言っても、たまたま見つからないからだ、未発見だからだと言われてしまっては、証明にはならないのです。 "ないこと"を証明することは不可能に近いのです。 捜査機関は捜索や差押え、取調べなどで、"あること"を証明をします。

#31 全身ジャージ、手錠に車いすの男

留置場生活、車内での不便な食事。 まだ起訴もされていない私でしたが、その扱いは犯罪者そのものでした。 接見禁止の中、弁護士以外の人と連絡を取り合うことができない状態でしたが、思いがけず、外の世界に出ることになりました。 その時の私の姿は、思い出したくもない程に恥ずかしいものでした。 >>>>>>>>>> 取調べは事前予告なし。 毎日、突然声がかかり、そこから刑事または検事のペースで行われます。午前は刑事、午後は検事と言ったような日もありました。 そんな取調べが連日連

#27 美濃加茂市を焼け野原にしてやる。

毎日続く取調べ。 分かることや、思い出したことは積極的に話すようにしました。反対に記憶に無いこと、余計なことは話さないよう心掛けました。 なぜなら、刑事や検事は事件とは関係のないようなことを会話しながらも、引き出したい話や言葉を巧みに引き出そうとしてくるからです。 相手の作戦にまんまと乗らないように沈黙になる時間もしばしば訪れました。 それでも彼らは、集めた情報を小出しにしながら、家族や趣味、学生時代のことなど、話題を変えては、自分たちに有利な言葉を虎視眈々と狙っていまし