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前科者と呼ばれても、政治家として闘うワケ

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ー私を誰が嵌めたのかー 市長当選、逮捕、無罪判決、逆転有罪判決、そして、これから。 新聞やテレビでは報じられない事実を、私の目線から綴ります。
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#取調べ

#46 本当にあった留置場エピソード

留置場での生活については、前話で紹介しましたが、その他の... ・入って早々に"市長"と呼ばれたこと ・被疑者として警察官が来たエピソード ・護送車に乗った時のエピソード ・担当さんたちの話 私にとって印象深かったことをいくつか紹介したいと思います。 >>>>>>>>>> 留置場では、今でも忘れられない出来事がいくつもありました。 まずは留置場に入って間もなく、数名から"市長"と呼ばれたことについて。 取調べが終わっても続いた接見禁止。外部からの情報は、弁護士との面会

#45 留置場での一日

留置場生活は、経験することはもちろんのこと、これまでの生活では知ることもなかったことばかりでした。 お風呂は5日に1回。 お金を払えば頼める冷めたメニュー。 菓子やパン。 平然を保ち、過ごそうとしましたが、その一つ一つのことが、留置場にいることを痛感させる日々でした。 "102番"こと、藤井浩人の留置場でのスケジュールをご紹介します。 >>>>>>>>>> 8:00 お風呂は、まさかの午前中。5日に1回だったと記憶しています。 はじめは、その回数の少なさに驚きました。

#44 私の名前は、102番

逮捕からの取調べが終わり、ようやく身柄が解放されるのかと思いきや、裁判所からの許可は無く、勾留は続きました。取調べが無いことで、朝から晩まで留置場で生活をすることになりました。 2012年に一世を風靡した映画『レ・ミゼラブル(日本語版)』。主人公のジャン・バルジャンは窃盗により収監され、"24653"と呼ばれていました。 まさか自分が番号で呼ばれる日が来るとは... >>>>>>>>>>> 留置場での生活について紹介します。 私の名前は"102番"。名前では呼ばれません

#43 最後の取調べ

任意同行の日から、刑事と検事による取調べが毎日続きました。 手錠をつけ、パイプ椅子に座り続ける一日は、とても長く感じました。 毎晩寝る前に、その日のことをノートに綴りながら、残り8日、残り7日、6日、5日...と、勾留の日数を数えることで気を紛らわす毎日でした。 もしかすると、再び事件をでっち上げられ、再逮捕で更に20日間の取調べが行われる可能性も聞いていました。 そして、ようやく迎えた最終日。 新たな証拠も証言も出てこない中、捜査機関は、どう締め括るのでしょうか。

#42 日常を奪う人質司法

勾留理由開示公判で、裁判官がいかに頼りないものなのかを実感しました。 そして、勾留取消請求は却下され、さらに10日間の勾留延長が決定しました。 弁護団は、私を一日でも早く不当な勾留から解放するために、できる手段全てに着手。 それぞれの手続きごとに新たな書類が作成され、提出前には必ずアクリル板越しに確認してサインをしました。 しかし、その努力も空しく、すべての手続きが却下されました。いわゆる"日本の人質司法"の大きな問題を身をもって経験することになりました。 >>>>>>

#41 逮捕から10日後、手錠での再会

私の勾留には"接見禁止"が付きました。 会うことができるのは弁護士だけ。当然、弁護士が間に入ることで、連絡のやりとりは可能でしたが、誰にも会えない孤独感に苛まれました。 そのような中での"勾留理由開示公判"。 留置場の外の人と顔を合わせることができる、唯一の機会でした。 >>>>>>>>>> 逮捕から勾留が決定されるまでの間の約72時間は、弁護士以外は面会することができません。 更に私は、接見禁止を付されてしまいました。 【接見禁止】 身柄拘束を受けている被疑者や被告

#40 検察のシナリオ

皆さんは、「選挙」に対してどのようなイメージを持っているでしょうか。 投票率の低下や若者の選挙離れなどは、社会の大きな問題でしょう。 せめて自分が立候補する選挙では、選挙から政治を変えたいという想いもあり、できるだけお金をかけず、協力してくれる人たちの力を借りて、クリーンな選挙を貫きました。 そして、市議、市長に当選することができました。 しかし検察は、何とかして私を賄賂を受け取った犯罪者に仕立て上げるために、私が”選挙活動の資金援助を不正に依頼した”という話をでっち上

#39 祝儀の金額、デートの内容

警察、検察による捜査の手がどんどん拡がるにつれて、浄水プラント、選挙活動、政治活動、塾の関係者など、多くの関係者が巻き込まれていきました。 対象者や内容から見ても、証拠を探すためだとは到底思えませんでした。 多くの人を苦しめ、私を精神的に追い込み、さらには世間に悪い評判を広めることが目的であると思えるほどに・・・。 ■登場人物 私:藤井浩人
 Y刑事:愛知県警刑事、任意同行から私を担当。逮捕前の取り調べから、積極的に恫喝。 >>>>>>>>>> 「そうそう、検察から連

#37 アンフェア

逮捕、勾留が決定すると、捜査機関は10日間、さらに延長10日間の合計20日の間に、取調べを行い、必要な証拠を整えます。 逮捕直後は、恫喝や脅迫のような言い方で、私を精神的に追い込もうとしていましたが、日が経つごとに刑事の取調べ時間が少なくなり、検事の取調べの時間が増えていきました。 彼らがどのような作戦で、どのような証言を取ろうとしているのか。全く検討がつきませんが、明らかに「不公平で反則だ」と言いたくなるような取調べでした。 ■登場人物 私:藤井浩人
 K検事:検察官

#26 いつ市長をやめるの?

逮捕後、勾留決定により10日間の取調べが始まりました。その後、更に10日間の延長は間違いないとのことでした。 1日だけでも大変辛い取調べ。 それを20日間も耐えられるのか、大きな不安でした。 取調べが続く中で、 「いつ市長を辞めるのか?」 取調べの目的とは到底かけ離れた発言が繰り返されました。 ■登場人物 私:藤井浩人 Y刑事:愛知県警刑事、任意同行から私を担当。逮捕前の取り調べから、積極的に恫喝。 >>>>>>>>>> 結局、あの塩対応の若い裁判官は勾留請求を認めた

#25 メディアの功罪

"捜査関係者によると" 刑事事件などのニュースを見ると必ずと言ってよいほど目にするのではないでしょうか。 逮捕の報道がされるタイミングは、これから裁判で事実が明らかになり、裁判官が犯罪だと判断する前のものです。 それにもかかわらず、一方的な情報発信をし、印象操作を行うことはアンフェアです。一度世間に着いたイメージはどうなってしまうのでしょうか。 >>>>>>>>>> 報道の常套句"捜査関係者"とは、警察や検察のことを指しています。 新聞やテレビでは、必ずと言っていいほ

#24 目つきの悪い29歳市長、危うい手腕

6人の弁護士団の先生方の時間をずらしながらの来訪。そのたびに取調べが中断され、私は冷静さを取り戻す時間を持つことができました。 一方で留置場の外では、通常では考えられない弁護活動が繰り広げられていました。何もできない無力な自分にとって、これほどまで頼もしいものはありませんでした。 そして、そんな活動が必要なほど、私を犯罪者扱いする新聞報道であふれかえっていました。 >>>>>>>>>> 「ここまで来たら裁判は免れないでしょう。裁判で潔白を明らかにすることと、美濃加茂市

#23 絶望の裁判所の始まり

手続き上、裁判所の許可、厳密には逮捕状(令状)の発付により、通常逮捕は行われます。 同様に、勾留も裁判所の許可により行われます。 当たり前のことですが、日本は法治国家です。 そう教わってきたし、今でもそうです。 その『法』を司る裁判官に人生で初めて会うことになりました。彼らの対応は、私の淡い期待を裏切るどころか 「他人の人生をなんだと思っているのか」 そんな怒りすら覚えるものでした。 絶望の1日の始まりでした。 >>>>>>>>>> 逮捕3日目、6月26日。 勾留質

#22 郷原信郎弁護士との邂逅

夜の名古屋地検。 あれから7年を過ぎた現在でも、理不尽な事件と戦い続けてくださっている郷原弁護士。 「藤井さん、どこで郷原弁護士と知り合ったのですか?」 「逮捕される前から、知り合いだったんですか?」 そんなことを時々聞かれますが、郷原弁護士との出会いは偶然のご縁でした。 >>>>>>>>>> 取調べが再開して間も無くして、K検事は、再び不満そうな顔で 「弁護士接見です。中断します」 そう告げました。 渡辺弁護士から、今日は誰も会いに来ないと聞いていたので、 (何か