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前科者と呼ばれても、政治家として闘うワケ

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ー私を誰が嵌めたのかー 市長当選、逮捕、無罪判決、逆転有罪判決、そして、これから。 新聞やテレビでは報じられない事実を、私の目線から綴ります。
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#弁護士

#85 M大学N教授

2017年1月の出直し総選挙で再選できた私は、 半年後の市長選挙を無投票で当選することができました。 最高裁の上告審を待ちながら、市民と共に将来へのビジョンに向かって再び歩み始めました。 そんな中、無罪判決から鳴りを潜めていたマスコミが再び、批判報道を始めたのでした。 >>>>>>>>>> 出直し選挙を終え、約1ヶ月半ぶりに市長に復帰。 残された任期はわずか半年でしたが、先を見据えた政策を確認しました。 そんな中、しばらく沈黙を保っていた幾つかの新聞社が、再び私の批

#84 出直し選挙

政治家の出処進退は自分自身で決めるもの。 私は辞職、”出直し選挙”を決断しました。 誰もが嫌う真冬の選挙。 雪がちらつく、長い一週間。 市民の皆さんの思いを聞ける選挙。 怖い思いもありながら、結果を待ちました。 >>>>>>>>>> 有罪判決から1週間経った、2016年12月7日。 美濃加茂市議会の冒頭。 「私が不当な控訴審判決と戦い続けながら市長職を続けることを市民の皆様がお認めいただけるかどうか。この点をはっきりさせるため、市長を辞任し、選挙によって市民の皆様の

#83 有罪市長、民意を問う。

市長は市民の代表。 市民の信頼が無ければ何もできません。 逮捕され、有罪視報道により大逆風にさらされながらも、多くの市民の皆さんの支えのもと市政を継続。そして無罪判決。 胸を張って市長職を続ける決断ができました。 しかし、一転した有罪判決。 私は深く悩みました。 >>>>>>>>>> 有罪判決の市長を市民はどう受け止めるのでしょうか。 市長は当選することで、"4年の任期"が与えられます。 自ら辞めたり、法的に剥奪されない限りは任期を全うできます。 ただし、想定を超

#81 逆転有罪

控訴審判決の日。 最悪の想定は原審差し戻し。しかし、これまでの裁判の内容を見ていて考えられないことでした。控訴審で無罪が確定すれば、ようやく普通の生活に戻れる。そう信じていました。 しかし現実は、時に予想をはるかに超えるもの。 裁判とはいったい何なのか... >>>>>>>>>> 2016年11月28日。 事件事実についての不安はありませんでした。 しかし、一審無罪の控訴審での有罪率は7割。いやでも不安がよぎります。 気持ちを落ち着かせ、裁判長の前へと進みました。

#80 予想外の横やり

異例の展開。 裁判長による職権により、中森氏への再証人尋問。 私にとっても、世の中にとっても、すべてが明らかになる機会でした。 しかし、あってはならない横やり。意図的と思わざるを得ない横やり。 真相の解明がなされることはなく、結審に。 あとは、判決を待つばかりでした。 ■登場人物 私:藤井浩人 N弁護士:中森氏の弁護士。 >>>>>>>>>> 中森氏が生の記憶を裁判で証言。 事件の真相が、いよいよ明らかになる。 しかし、まさかの展開が待っていました。 中森氏の弁護

#79 中森氏、法廷へ再び

一審と比べ、控訴審は一つ一つの日程の感覚が大きく空いていました。 最初に決められた日程は終了。 このまま結審するのかと思いきや、検察側でも弁護側でもなく、裁判長が自ら中森氏を法廷に呼び、質問するという異例の方向へと進んでいきました。 この展開、私にとっては事件の真相に近づく絶好の機会となるはずでしたが... >>>>>>>>>> 予定されていた審理、X刑事の証人尋問も終わり。弁護人、検察官、裁判官の3者打ち合わせが行われました。検察、弁護人の双方の証拠は出揃い、控訴審

#70 剥げる化けの皮、取り乱す検事

中森氏の証人尋問1日目。 検事のシナリオと詐欺師の演技によって、検察側にとっては完璧とも言える主尋問が行われました。 O氏からの手紙の存在を知らない人たちは、中森氏が社会復帰のために、家族のために、"贈賄"について話をしたのだと信じかけてしまったことでしょう。 しかし、ここから、弁護士の鋭い質問の攻勢が始まります。彼らの完璧、詐欺師の化けの皮がみるみる剥がれていくことになるのでした。 >>>>>>>>>> 証人尋問2日目。 弁護人から中森氏への反対尋問。 午前、午後と

#69 検事のシナリオ、詐欺師の演技

主尋問が始まりました。 1ヶ月以上、朝から晩まで"証人テスト"を行ってきた中森氏と検事。 そんな時間もなかったかのように、記憶を思い出しながら話す演技が存分に盛り込まれる徹底っぷり。 準備万端どころか、ここまでの余裕があったとは。 そして、私たちの想像を超える一幕が、その日のクライマックスに待っていました。 >>>>>>>>>> 手紙に書かれていた、S検事が中森氏にかけていた言葉 「絶対負けないから一緒に頑張ろう」 「藤井には絶対負けないから、中森さん最後まで一緒に

#68 詐欺師と検事の結託

中森氏の証人尋問が始まりました。 真実を語ってくれるのではないかという淡い期待は、拘置所から届いた手紙によりほとんど消えかけました。それでも、対面で感じた印象から、中林氏に最後の望みの気持ちがなかったわけではありませんでした。 しかし、やはり詐欺師。彼の口から語られる言葉は、私の予想をはるかに超えていきました。 >>>>>>>>>>> 10月1日。 証人尋問の主尋問が始まりました。 この日は、中森氏に対して検事が質問をする日です。 私は弁護団から 「検察にとって唯一

#67 拘置所からの手紙

起訴されてしまえば99.9%の有罪を誇る刑事裁判。 本来であれば、確固たる犯罪事実により、有罪となるのが原則ですが、現在の我が国の現実は大きく異なります。 不可能に近い"悪魔の証明"。 <34話参照> 無実を証明するためには、何らかの奇跡が必要でした。 >>>>>>>>>> 9月17日の初公判が終わり、 第二回公判期日は、10月1日に決定。 贈賄者とされる中森氏の証人尋問が2日間にわたって行われることになりました。 1日目は検察側からの主尋問、2日目は被告人側からの反

#66 証言無視、現地調査のない証拠。

検察の主張。 聞けば聞くほど、誰もが違和感を抱くようなものの連続でした。 はじめは2人しかいなかったという中林氏の証言。 しかし、レシートの記録により一転。 3人でいた。同席者がドリンクバーに立った時にお金を渡したと証言。 そもそも同席者の席を立っていないという証言を無視し、 さらには現地を調査することもなく、検察は詐欺師の証言を信用するのでした。 >>>>>>>>>> その後、弁護人冒頭陳述が行われました。 弁護団による陳述は以下のような構成。 検察側の全ての主張

#65 始まる初公判。私の被告人陳述。

初公判が始まりました。 「証拠は全て揃っている」 取調べで豪語していたY刑事は、裁判の場には、もういません。 (どんな証拠が出てくるのだろうか) 私にとって最大の関心ごとでした。 しかし、これほどまで大胆な逮捕劇をしていた検察の主張は取ってつけたような絵空事。こんな作り話がまかり通ってはいけない。 私は冒頭陳述にて想いを伝えることになります。 >>>>>>>>>> 張り詰めた法廷内で、検事による起訴状の朗読が始まりました。 「ファミリーレストランにおいて、中森氏が浄

#51 40日ぶりの外の人

逮捕後から"接見禁止"。 弁護士以外の人とは面会も手紙のやり取りも許されていませんでした。 起訴が決まり、捜査が終わった後も変わらず続く接見禁止。一体いつになったら解かれるのか、全く検討がつきませんでした。 そんな中、二人だけ接見禁止が解除されました。 "市政運営のための情報交換"。要は仕事のために解除されました。 仕事と言えど40日ぶりに会う外部の人でした。 >>>>>>>>>> 8月7日、接見禁止の一部解除が認められました。 勾留状態を少しでも解くために、保釈申

#41 逮捕から10日後、手錠での再会

私の勾留には"接見禁止"が付きました。 会うことができるのは弁護士だけ。当然、弁護士が間に入ることで、連絡のやりとりは可能でしたが、誰にも会えない孤独感に苛まれました。 そのような中での"勾留理由開示公判"。 留置場の外の人と顔を合わせることができる、唯一の機会でした。 >>>>>>>>>> 逮捕から勾留が決定されるまでの間の約72時間は、弁護士以外は面会することができません。 更に私は、接見禁止を付されてしまいました。 【接見禁止】 身柄拘束を受けている被疑者や被告