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仕組みにすることの大事さと忘れてはいけないもの

仕組みにすることは極めて大事。「いや、何を当たり前のことを」と思う人も多いだろうけど、企業だろうが、行政だろうが、仕組みの出来上がった組織の中で、「新しく仕組み」に落とし込むことって少ないのではないか。

スタートアップはどこも同じ状況だと思うけど、日々、スクラップ&ビルドの繰り返し。仮説を検証しては、見直して、再度、検証して。これを繰り返す。これはどうしても、仕組みになりづらい。仕組みになるのは仮説が検証されて、「よし、このスキームで事業が成立するぞ」と確信できてから、となる。

さて、うちの会社は運がいいことに、いくつか安定したサービスが確立されてきた。その一つが逆プロポであり、もう一つが逆プロポ・コンシェルジュだ。

2023年4月、コンシェルジュを担当することが決まって、まっさきにやったのは、「仕組み」に落とし込むこと。サービスが生まれた2022年、いくつかの契約を頂いたものの、その実、僕と担当者で四苦八苦しながら、価値を出すために汗をかいていて、まぁ、要は「ドアナログ」だった。

これではサービスはスケールしない。というわけで、業務フローのすべてを洗い出して、構造化していったのが今年の春から夏前までのこと。面白いもので、業務を「仕組み」にできると余裕が生まれてくる。

その結果、コンシェルジュからは今年、自治体向けに「官民共創を新しい当たり前(文化)にしよう!」という趣旨の、新サービスとして「研修&ワークショップ」を社員が開発してしまった。

これがことのほか、自治体にウケていて、今度は企業向けの「研修&ワークショップ」のメニューの開発にも着手を始めたところだ。

開発会議の様子

ソーシャル・エックスは、もちろん、コンシェルジュ以外にも、色々なサービスを展開しているし、受託業務もある。その代表格が、中小企業庁の仕事で、5億円を超える公金をお預かりしている。業務の柱の一つは、補助金の執行で、従って,書類のチェックは膨大な量になる。

5億円のお金が会社の前を通過するので、当たり前だが、その執行に当たってはミスが許されない。1年前、会社の中はてんやわんやだった。特に年末の、この時期はそれ以外の仕事ができなくなるほどだった。

ところがどうだろう。今年、この時期も同様の業務はあるものの,アクセラプログラムの開発や、ソーシャルクレジット(官民共創型カーボンクレジット)の開発ほか、新しいことへのチャレンジができている。逆プロポ・コンシェルジュというサービスのデリバリーもしつつ、新規事業の開発もできているのだ。去年の忙しさが嘘のようだ(今は今で、事業開発などで忙しいは忙しいが)。

2022年12月の様子

これはひとえに、昨年の経験を元に業務を仕組みに落とし込んだから。なので、仕事のスピードが格段に上がった。仕組みはとても大事。当たり前だけど。

今,アクセラを生み出すことができたのも、コンシェルジュというサービスを仕組みに落とし込んだから。それによって,こちらも仕組みで回せる部分と、人が汗をかかないといけないところと、分解できたことが大きい。

次はこのアクセラを仕組みに落とし込むこと。これができると、早ければ2024年夏、遅くとも2025年春には色々なものがくるくる回るようになっているだろう。とても楽しみだ。

最後に。仕組みは大事だと思っている。物事を推進する力になるから。そして、多くの人は「形」がないと理解できない。だから「形」は必要。

ただ。形にするプロセスの中で、どうしても哲学は削ぎ落とされてしまう。ここは要注意。賢い人は、形の背景にある哲学は何かを理解しようとする。普通の人は形を習得しようとする。

むかしの徒弟制度って実はすごく合理的だったんだと思う。


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