主な出来事
人それぞれ、苦しい過去や変えたい過去、理不尽な過去は持っていると思う。もしかしたら、私よりももっとひどい経験をされている方もおり、私の経験なんて甘いものかもしれない。しかし、その時確かに私は苦しんでいた。その苦しみは、「明日が来るかもわからない、この先どうなるかもわからない、ただひたすらに目の前の苦しいことを捨てたい、なんでもいいや」という思いだった。
こうした思いにおいては、皆様と共通する部分があるかもしれない。
まずは、私の主な出来事について書かせていただこうと思う。
【主な出来事】
小2で父親が失踪、帰ってきたと思ったら借金4,000万円
小学校で2度の転校、野球チームでいじめ。
中学校は野球に打ち込む。理不尽な先輩との関係、面倒な人間関係。
高校も野球に打ち込んでいたが、経済的に厳しく3年生の春で退部。
志望大学に3点差で入れず浪人。1年間の無職(予備校生)生活。
大学に入るも勉強に身が入らず、アルバイトとギャンブル三昧。
大卒で入った銀行がつまらなすぎて5ヶ月で辞める。
二社目、一日15時間勤務を一年半続けた結果、精神を病む。休職中にギャンブルとFXで失敗し、借金300万円を抱え、債務整理。
三社目は平穏。ご縁があり結婚、子どもが生まれると同時に長野県へ移住。
四社目は、育児休暇取得をめぐって、上司からの厳しいパワハラ合う。
独学で中小企業診断士の勉強をして、資格取得。
独立し、自分のペースで仕事をしているため、現在は比較的精神的に落ち着いている。一方で、クセのある取引先や金銭的な不安はつきまとう。どう対峙していくか。
一番衝撃的な出来事は、父親が失踪したこと。小学校2年生の時、私は岐阜県に住んでいて、山の近くであったため冬はとても寒い(車が埋もれるほどの雪が降ることもある)。おそらくあれは小学校2年生の1月か2月頃だったと思う。父親が帰ってこなくなった。子どもの私には状況が理解できなさすぎて、ただひたすら不安になった。今みたいに携帯電話も浸透してなかったので、簡単に連絡は取れない。会社にもいない、父方の実家にもいないとなれば、どこに行ったのか見当もつかないし、連絡手段がない。
「寝て起きたらきっと帰ってきているだろう」と思いながら毎日を過ごすが、やはり帰ってこない。
すると失踪から3日ほど経ったころ、夜自宅に父親が勤める会社の人が二人来た。私は母親に諭されてか、ふすまを挟んで別の部屋で寝る体制に入っていた。横で3つ年下の妹はすでに寝ている。電気を消して私も寝ようとしたが、不安で寝れない。ふすまをはさんだ居間で、母親と会社からきた男性二人が深刻そうに話をしている。ただごとではないことだけを察知して、その場で聞くわけにもいかず、ひとまず目をつぶることにした。
普段であれば、一度寝ると朝まで寝ていた私だが、一度寝て2~3時間後に目が覚めた。会社の人はすでに帰っており、母親は絶望したような表情でたたずんでいた。意を決して「どうしたの?」と聞くと、隠さずに教えてくれた。「パパが会社の金を使い込んだ」と。
正直いまいちピンとこない私であったが、ひとまず父親がイケないことをした。だから家にも帰ってこないということは理解した。
大変な事実を知ってからも、しばらく父親は帰ってこなかった。
どんな状況であれ、私は父親を好きだったので、とにかく早く帰ってきてほしいと願うばかりだった。
1週間ほど経ったある日、事態は急転した。
家に父親から「今から帰る」という電話があった。
大人になって父方の祖母に聞いた話だが、この時父親は自殺しようと思って比叡山に行き、最後に自分の母親(私からみて祖母)にどこからか電話をしたらしい。父親は多くを話すわけではなかったそうだが、自分の母親から「とにかくまずは自宅に帰りなさい。あったことを全て話しなさい」と諭されたそう。
そんなやりとりもあって、なんとか父親は岐阜県の自宅に帰ってきた。
泣きながら土下座をし、母親に詫びて、自分の母親にも電話をしていた情景は、今でもハッキリと覚えている。
借金4,000万円生活のスタートであった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?