『寄宿学校のジュリエット』という作品にガチハマりしてしまったので、オススメの理由を語ってみる
つい最近、『寄宿学校のジュリエット』という作品を知った。
これは2015-2019の期間、別冊少年マガジン→週刊少年マガジンで連載されていた作品だ。全16巻で、いわゆるラブコメに該当する。
2022/3/18に今更この作品を知り、調べてみると3巻無料だったので試しに読んで見た所、これがガチで面白く。その日のうちに、電子書籍で全巻購入して一気読みしてしまった。
これを書いているのは2022/3/20なのだが、すでに何周したか分からないぐらいにはハマっており。
FacebookにもInstagramにもTwitterにも「これはヤバいですよ!!!!」と語ってしまい、友達に電話して「これ面白いよ!!!!」と話しちゃうレベルで本当にオススメしたい作品になってしまった。笑
これまでの人生の漫画のうち、間違いなくベストバイになった。
いわゆるラブコメではあり、たしかに可愛い女の子もいっぱい出てくる。お色気シーンも少なからず出てくる。
でもこの作品の魅力は、そんな所では終わらない。(「そんな所」とは失礼だけれども笑)
これまでの人生の中でのベスト漫画を見つけてしまったと思っている。
今日は、この『寄宿学校のジュリエット』(以下『ジュリエット』)という作品がどのようなものか、そしてどのあたりが面白いかどうかを、オタク特有の早口でたっぷりと語って行きたいと思う。
※本記事では、第1話については紹介も兼ねて多数のネタバレをしますが、第2話以降は可能な限りネタバレを避けています。
※本投稿に掲載しているキャプチャは、すべて『マガジンPocket』で無料公開されている、第1話より引用しています。
https://pocket.shonenmagazine.com/episode/13932016480029113117
【あらすじ】
舞台は「ダリア学園」という学校。「東和国」と「ウエスト公国」という2つの国の生徒が、それぞれの寮に住み同じ学校に通っている。
東和国とウエスト国は敵対関係にあり、寮同士もまた同様に、敵対関係にあった。
主人公の「犬塚露壬雄(ロミオ)」は、「黒犬(東和国の寮)」のリーダーである。
しかし、そんな犬塚は、密かに「白猫(ウエスト公国の寮)」のリーダーである、「ジュリエット・ペルシア」に恋をしていた。
頭脳明晰で文武両道、更には気高さも兼ね備える彼女のことをずっと想ってはいたものの、悲しいことに敵対する寮である白猫のリーダーであるため、なかなか想いを伝えられずにいた。
そんな中で、とある事件をきっかけに、犬塚はペルシアに呼び出しを受け、決闘することになる。
彼女の強さの理由、立場や思いを知った犬塚は、覚悟を決めて、決死の思いで彼女に告白した。
敵同士の国の2人。そんな中での恋愛なんて、無謀としか言いようがない。
それでも犬塚は、「お前と一緒にいられるなら、こんな世界変えてやる」と決意する。
晴れて恋仲になった犬塚とペルシアであったが、残念ながら2人は、そんな「争い合っている敵同士」のリーダー同士。決してバレることは許されない。
「バレたら破局」とも約束した2人は、果たしてどのように世界を変え、そして恋人生活を送っていくのだろうか?
【この作品の特にお気に入りな所】
■とにかくまっすぐで一途な主人公とヒロイン
「少年漫画のラブコメ」といったら、だいたい「主人公がモテモテ」で、「魅力的な異性からアプローチを受け」ていて、「最終巻辺りでだれか一人に告白して完結」というパターンが非常に多い。
でも『ジュリエット』は違う。1話でヒロインに告白して恋仲になり、そこはどんなことがあっても決してブレずに進んでいく。そんな犬塚が本当にカッコいい。
もちろん少年誌のラブコメだから、可愛くて個性的な女性もどんどん登場してくる。でも犬塚は決してブレない。最初から最後まで、ヒロインであるペルシアのことを一途に想い続ける。
そんな犬塚に、ペルシアも惹かれていくことになる。「決してバレてはいけない関係」であっても、一緒に乗り越えていこうと決意し、成長していく姿が見えてくる。
そんな2人のことを見ていて、本当に清々しい気持ちになってくる。
普通だったら「爆発しろ!」とか、僻みにも似たような言葉を言いたくなるかもしれない。でもその純粋さとまっすぐさには、そんな僻みも忘れて、きっと誰もが応援したくなってくるはず。
■全登場人物がすごく魅力的で、心理描写が丁寧
この学園に出てくる登場人物が、個性的で魅力的な人達ばかりだ。
こういった漫画では「捨てキャラ」「噛ませ犬」的なキャラクターが出ることも多いが、そういった人物は一切存在しない。そして、その一人ひとりの心理描写がものすごく丁寧に描かれており、思わず感情移入してしまう。
特に個人的に推したいのは、「蓮季(はすき)」という、主人公の幼馴染で、初学部からの友達、そして密かに思いを寄せている女の子だ。
「ネタバレはなるべくしない」とは言ったものの、これはもう書いちゃうが、「主人公はヒロインに一途です」と言っている時点で、蓮季が100%幸せな結末を迎えることが無いことは、だいたいみんな察しがつくと思う。
そんな蓮季の思いや、葛藤や後悔、戸惑い、嫉妬心がすごく丁寧に描かれていて、見ている自分も何度も胸が苦しくなった。「やめろ!次のページ見たくない!」と思った瞬間もあった。
『ジュリエット』は、そんな一人ひとりにスポットが当たり、なぜそう考えているのか、どういった背景があるのか・・・という点まですごく緻密に描いてくれる。脇役にもしっかりと個性があり、超重要な場面で意外な人物がキーマンになったりする。
一人ひとりが、向こうの世界で生きているように感じられた。
■超王道ストーリーを最後まで駆け抜ける
「決して結ばれてはいけない2人」というのは、ラブストーリーにおける超王道と言ってもいい。古くはまさに本家『ロミオとジュリエット』、最近では韓国と北朝鮮の恋愛を描く『愛の不時着』などなど。
この『ジュリエット』も、まさにその「決して結ばれてはいけない2人」が、ありとあらゆる困難に屈せずに乗り越えていくラブストーリーである。
それは超王道と言っていい。使い古されたとも言えるかもしれない。でも、王道は面白いからこそ王道なのだ。
『ジュリエット』でも、様々な困難と障害が生じてくる。
「敵対する2つの国」という環境では、それは多くの偏見や差別が飛び交う。そんな中で世界を変えるなんて、並大抵のことじゃない。そこには大きな大きな壁が、いくつかも立ちふさがる。
時には「マジか・・・」と思ってしまうような出来事も待ち受けている。
でもそんな障害にも、2人、時には周りの人たちも巻き込み、なんとかして乗り越えていく姿には、いつしか自分もどんどんと惹かれてしまった。
そして気付いたら自分も、とあるシーンで思わず胸がこみ上げ、涙が出てきてしまった。漫画で泣いたのなんていつ以来だろう。本当に胸が詰まった。それだけ、心が動かされた。
【まとめ】
本当はネタバレ込みで、全部の魅力的な話をしたいのだけど、これを読んでいる人に、1人でも多く『ジュリエット』を読んで欲しいので、最低限にしておく。
(本当は「あの巻のあのシーンが最高でした!!!!」とか言いたいです。ハイ)
『ジュリエット』は漫画としても、ギャグもシリアスもお色気も絶妙なバランスで進んでいくので、非常に読みやすい。
(個人的には、お色気シーン無い方が色んな人に薦められて良かったんだけども…!それは少年誌のラブコメだし仕方ないね)
そして、そんな王道ストーリーに心打たれ、前向きに励まされる人も多いはずだ。
「恋愛って良いな」「自分もこんな青春送りたかったな」とすら、ほのかに思える、そんな漫画でもある。
そんなジュリエットだが、おそらく2022/3/24まで、各電子書籍サイトで無料配信しているようだ。
[マガジンポケット]
[Kindle]
もちろん合う合わないは当然あるので、合わなかったらしょうがない。特にギャグ面は若干好みが分かれるかもしれない。
個人的には、2巻の前半までは絶対読んでほしい。いや読め。
【おまけ - 黒猫と魔女の教室】
自分はすっかり、この本の作者である金田陽介さんのファンになってしまった。
そんな金田さんは、この2022年3月に、新作がマガジンポケットで始まったようだ。(多分、『ジュリエット』の3巻無料も、その宣伝の一環なんじゃないかと思う)
[黒猫と魔女の教室]
まさに今月、新連載が始まったばかりなので、毎週追うか、Kindle一気読みのために我慢するかは、ちょっと考え中だ。
(そもそも、Kindleで出るかは分からないけど)
でも、この『黒猫と魔女の教室』も面白そうなので、少しずつ読んでいこうと思う。
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