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京都しぁんくれーる John Coltrane -1972- 僕と音楽と⑽

イージーライダーに触発されて、という訳でも無いが、高校卒業の春休み、僕はクラスメートと2人、西へ向かって旅に出た。

中央本線の鈍行の夜行列車に乗り、諏訪湖から木曽路を下り、本四連絡船で(!)四国に渡り、高松栗林公園では雪に降られ、二十四の瞳の小豆島を巡り、広島で慰霊をし、宮島を廻って、
津和野、萩の日本海に抜ける。出雲大社、鳥取砂丘を訪ねて京都へ。
紀伊半島を和歌山、熊野、鳥羽と周り、合歓の里に滞在し、帰京した。

今から考えると、寅さんのようなロードムービーである。
道中、乗り合わせた女子大生から、歳上に見られたのがショックだった(笑)。

京都河原町荒神口に、「しぁんくれーる」という伝説のJAZZ喫茶があった。

前年、高野悦子著「二十歳の原点」が発刊され、20歳で命を絶った彼女の手記は、
僕のような読者を沢山生み出した。
「しぁんくれーる」は、この本に繰り返し登場する。今風に言えば、聖地巡礼である。
因みに映画化もされ、映画は観た記憶があるが、その音楽が四人囃子であったのは、
四人囃子ファンの僕は覚えていない(笑)

JAZZ喫茶というものに足を踏み入れて、
アナログLPレコードを片面ずつ聴くというスタイルを初めて知る。
その後、渋谷百軒店の路地奥にあった「ブラック・ホーク」で、
繰り返しRockの名盤を、このスタイルで聴く日々が来るのだが。

この日、「しぁんくれーる」で掛かっていたのは、
John Coltrane のLive at the Village Vanguard 。
John Coltraneとの出逢いである。
Coltraneは既に5年前の1967年にこの世を去っていたが…

JAZZ との出逢いという訳では無い。
僕は既に、1971年1月3日、 Charles Mingusの在りし日の姿を、サンケイホールで観ている。
後に、Joni Mitchellがその名を冠したアルバムを出そうとはその時はまだ知る由もない。

1972年の1月3日には、「In A Silent Way」が産み落としたスーパーバンド、
初代Weather Reportの勇姿を、旧渋谷公会堂のステージで目にしている。
因みに初代ベーシストは、Miroslav Vitouš、未だ25歳だった。

Weather Reportは、やがてJaco Pastoriusを迎え、文字通りのスーパー・ユニットとなり、僕は彼等を、’72,’76,’80,’82,’83,’84と、6回堪能することとなる。

JAZZ,FUSIONもまた、僕の音楽の旅路の重要なパートナーである。

本日の一曲
John Coltrane「Softly As Morning Sunrise (朝陽のようにさわやかに)

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