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【卓球】フォアのスイングについての考え方

年内最後の投稿をします。今日は大晦日ですが、特にすることもないので今回は趣味である卓球について記事を書いてみようと思います。僕は特別卓球が強い訳ではありませんが一応中学、高校、大学と卓球を続けてきて一応今でも社会人で続けています。

そこで得た知識や技術が誰かの役に立てばと思ったのでとりあえず書いてみようと思いました。

今回の内容はスイングについて、2種類のスイングとそのスイングのメリットとデメリットについて書きます。スイングというより打つ時にラケットのヘッドが上に向いているか、下に向いているか、この違いについて説明させていただければと思います。

まずスイングについての前提ですがこれが正解でこれをすれば必ず勝てるというようなスイングは存在しないと思います。なぜならその人にとってのスイングや戦型はその人によって正解が違うからです。100人いれば100通りの正解があると思います。その前提を踏まえた上で自分がどのスイングを選択してどんな戦型を目指すかの参考にしていただければと思います。

スイングに正解は無いと言っておいてあれなんですが、できるのであればラケットのヘッドは少し上を向いているくらいで手首を少し平いて打つくらいの打ち方が理想的です。トップ選手でいえば分りやすいのは吉村和弘選手かなと思います。

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これは大学時代に私が関西学生でプレーしていた際、各大学のエース級の選手のスイングを研究していたのですが、当時の関西チャンピオンを始め他大学のエース級の選手もほぼそのようなスイングをしていました。

ですがこのような打ち方ができないからと言ってそれが悪いわけではありません。どの打ち方にもメリットとデメリットが存在するのでそれについて説明します。

①ヘッドを下げる打ち方

まずは手首を少し下げてラケットのヘッドを少し下に向けてのスイングについて。このスイングのメリットはボールにしっかりと回転をかけれて安定感を出せることです。僕の感覚では割合的にはこの打ち方の人が多いし、基本形といえる打ち方なのかなと思います。トップ選手でいえば大島選手がこの打ち方ですね。

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この打ち方のデメリットですが、ボールの少し外側をとらえる打ち方なのでどうしても体に引き付けて打たないといけないので自分の体より前のボールやミドルのボールを打つのは不向きです。僕のような人間が評価するのは非常に恐縮なのですが大島選手も国際大会等で中国の選手等と対戦した際はミドルを狙われている印象があります。

僕の考えではこのスイングをするのに向いている人はしっかりと体に引き付けて打てるようにボールのところまで一球ずつ足を運んで打てる人。フットワークが良いフォア主体で戦う選手かなと思います。大島選手もそのような選手ですよね。

一球ずつ引き付けて打てる足とパワーを持っていれば、この打ち方は非常に安定した回転量のあるボールを出せますし、下がったところからでも山なりのボールを出して入れることができます。中陣~後陣で戦う人にはこの打ち方が良いでしょう。

向いていないのは、スイングが遅い人やパワーに自身の無い人、フットワークが苦手な人です。そういった人がこのスイングをしてしまうと安定感がある分相手に対しても打ちやすいボールを送ってしまいます。そして体に引き付けて打つ打ち方なので、そういった人の場合返ってきたボールに対してだんだんと打点を遅らせていってしまい下げられてしまうからです。

②ヘッドを上げる打ち方

冒頭でも紹介しましたができるのであればこの打ち方をした方が良いと思います。この打ち方のメリットは面を開いて打つ打ち方なので相手のコースに広角に打つことが可能で、面が開いてる分相手にもコースを読まれ辛いですしシュートドライブがやりやすいです。そして面を開くことによって打点を体より前で打ちやすくなり、打点を早くすることができます。また面を開く分、ボールに当てながら力を伝えやすくボールにスピードがでます。少々ミドルよりのボールでもフォアで処理できますし、ボディワークを使えばかなりバックよりのボールでもフォアで処理することができます。メリットだらけですね。

トップ選手でいえば冒頭で紹介した吉村和弘選手の他に、全日本チャンピオンの宇田選手、五輪代表の平野美宇選手、元世界チャンピオンのシュラガー選手が分りやすいと思います。

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五輪メダリストの水谷選手も「世界のトップ選手に巻き込んで打つ選手は少ない。世界のトップ選手は大体面を開いて打つ打法をしている」と、いつかの卓球王国かなんかのインタビューでコメントしてました。

一見僕からすれば水谷選手もヘッドを下げて巻き込んで打っているように見えるのですが(笑)おそらく実際は開いて打っているのでしょう。そして水谷選手の場合は下がって戦うことが得意ですし、フォアが得意でフットワークもあるのでそのような打法でも戦型に合っているのだと思います。

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そんなメリットだらけの打ち方ですがこの打ち方にもデメリットがあります。まずこの打法ですと先ほどの①の打法と違い面を開くことでボールを直線的にとらえてしまうので、打つボールも直線的なボールになってしまい山なりになりにくいです。なので下がった時は少々しんどいでしょう。また直線的にとらえることでスピードは出やすいのですが、回転がかかっていたりかかっていなかったりと安定しにくいです。

このスイングが向いている人ですが、前陣で戦う選手やカウンターを得意とする選手です。体の前で打ちやすい打法なので早い打点で相手のフォア、バックに揺さぶることが可能ですし、手首を上げることでラケットに自分の力を伝えやすく、相手が少々強いボールを打っても押し込まれずにブロックしたり打ち返すことが可能です。前陣で強打すれば相手のコートに上から直線的なボールが刺さるので非常に有効です。

向いていないのは下がって戦う選手やフォアに安定感を出すことが苦手な選手です。フォアが安定していない選手はこの打ち方では回転量の調節も難しいので①の打ち方をした方が安定すると思います。またこの打ち方は山なりのボールを出すことが難しいので下がって戦うと自分が不利になります。下がって戦えるだけのリーチやフットワークを持っているのであれば①の打法をした方が合っていると思います。

僕の場合とまとめ

僕の場合は中学に卓球を始めたときから高校までは①の打ち方をしていました。やはりこの打ち方は安定しますし基本形といえる打ち方なので、卓球を始めたばかりの人やドライブが安定して入らない人は①の打ち方をお勧めします。始めからラケットのヘッドを上げた方がやりやすいと感じた人や、始めから面が開いてた人は無理に①の打ち方をせず②の打ち方を目指した方が良いと思います。

僕は中学から高校までは自分の学校ではエース級でしたが県上位の選手や格上の相手には勝てませんでした。①の打ち方でオールフォアで安定してミスの少ない卓球をしていたので格下の選手に負けることは少なかったのですが僕の場合は運動能力が低くパワーも無かった為、自分以上にスピードやパワーのある人には勝てませんでした。

大学は当時、関西1部の大学に行ったので今までの僕の卓球では通用しませんでした。自分より強い格上の相手にも勝てる卓球をしないといけないと感じました。先輩にアドバイスをもらって少しシュート気味に打ってみてはどうかと言われてそうしたのですがこれがハマりました。パワーの無い僕には前陣でブロック、カウンター主体で戦う方が合っていたのです。格上の人にも勝てることもありました。

しかしこの打ち方にもデメリットはありました。今度は今まで負けなかった人に球が合わなくなり勝てないこともありました。そして僕の場合②の打ち方を目指していたのですが、どうしてもボールがシュートしてしまいトップ選手のような理想的な②の打ち方にはなれませんでした。

僕は悩みました。①の打ち方に戻すべきか?不完全な②の打ち方を続けるべきか?僕は自分がなぜこの大学に入ったかを考え「自分が強くなるため」であることに従い、少しでも自分の力で上に行ける可能性のある②の打ち方を選択しました。この選択が正しかったのかは今でも分りませんが、なんとか自分の大学でも何度かはレギュラー入りすることができ、個人においても関西1部の大学の人に何人か勝てたり、戦っていくことはできました。

社会人になってから最初は①の打ち方に戻しました。説明は難しいのですが、僕の主観では①の打ち方の方が自分が楽しく卓球ができます。おそらく①の方が回転量等のボールコントロールがやりやすいので自分の思ったボールが出しやすいことが理由かなと思います。

僕の場合、自分がやっていて楽しいのは①、実践で勝つ為には②なのかなと思います。社会人になってしばらく試合に出ていなかったのですが、再び試合に出るようになってから②の打ち方をしてみたらやはり②の打ち方の方が勝てました。

今では①と②の打ち方を両方使って相手と状況で使い分けてます。基本的には①の打ち方をしていて、相手が強くなったり負けられない試合等になってくると②の打ち方をしたりといった使い分けです。逆に②の打ち方で負けていたのに①の打ち方に変えたら勝てたといったこともあります。

このような使い分けをすることが正しいのか分りませんし、もちろん人にはお勧めしません(笑)しかし僕は今ではこのような卓球をしており、これが僕の卓球なのかなと思います。

最後に

冒頭にも書きましたが、卓球に正解はありません。100人いれば100通りの正解があります。

関西にはツッツキとブロックだけで関西のトップ選手と互角に渡り合っている人もいましたし、ペン粒を反転させながら時にはシェークに持ち換えたりして関西リーグ1部で勝ち越している人もいました。

恐らく全国にはもっと色んな卓球の人がいますし、世界には更にいると思います。それらのすべてが正解なのだと思います。

僕は今では年代別の全国大会を目指して卓球をしていますが、これからもそういった見たことの無い卓球と出会えることにワクワクしてますし、その為に自分の卓球をこれからも探して磨いていき全国大会に出場できるように卓球を続けていこうと思っています。

このブログが当時の自分のように自分の卓球を見失って悩んでいる人や、自分の戦型を探している人のヒントになればこれほど幸いなことはありません。

それでは皆さんよいお年を(^_^)/

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