鼻たかき目立ちたがりの子のごとしアベノミクスの救いの無さよ
安倍晋三は僕と同い年の昭和29(1954)年生まれだ。いや、もう故人となってしまったので、「だった」というべきか。
「妖怪」と呼ばれた稀代の宰相を祖父にもち、総理の座をも狙う実力者だった父の跡を継いで政界に迷い込んだこの男には、どうしようもない軽さがついて回った。それは、権力への妄執などでは説明がつかない何かだった。
父に追いつき、祖父を追い越したいという哀しい願望だったのか、さらに言えば、その底には幼い頃から不出来を揶揄され続けた劣等感がついて回っていたのではないだろうか。
リオデジャネイロ・オリンピック閉会式では、一国の宰相が地球の裏側に迷い出たスーパーマリオまで演じて見せた。
そして、令和4(2022)年7月、魔弾に斃(たお)れたのだ。
今となっては、根拠のない優越感と、その裏返しの劣等感をもっていた、小学校の時の旧友の早世の報に接したような、そんな感慨がある。
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