見出し画像

見てきたような嘘かもしれないよ「Transcendent Express」

久しぶりに上野でお芝居を見ました。「Transcendent Express」です。

2017年の初演はシアターミラクルで見たのでした。その時はもうひとつのお芝居との二本立てでしたが、今回はこれ一本で約90分の長編です。5年前から酷い頭痛に悩まされる主人公が信用できない語り手で、現実と妄想が入り混じり、逃げ場なし、というところからどーんと目の前に開けた道(鉄路)が!というお話ではないか、と思います(違うかもしれませんが、責任は取りません)。明日が千秋楽なので、なるべくネタバレしないように感想を少し書きます。

鍛治本さん、小寺さん、藤本さん以外は初めて拝見する俳優の皆さんでしたが、皆さん素晴らしかった!特にちっちゃいメーテル役(嘘)のハマカワさんがファム・ファタールさに溢れててよかったです。途中でトナカイになった(嘘)小寺さん、まったく老けメイクとか衣装とかしてないのにいかがわしくエネルギッシュな初老っぽさが初演と違ってて面白かったですね。かつてワタクシがお仕えしていた若様は、いつあのカバンの中から中古のスマホを取り出すのかドキドキしながら見ていましたが、今回はキャリア組……いったいあのお方はいくつ引き出しを持っているのでしょう。

エンディングはぜひ初演のときのあの曲を……と思っていましたので、あの曲が流れたときは嬉しかったです。これは脚本に指定があるのかしらん(脚本を手に入れて答え合わせはしません)。あそこは、好きなところです。そして初演にはなかった(初演の劇場では構造的に出来ませんが)オーラスのあの演出……ワタクシがお世話になったあの舞台を思い出しました(どうも歳を取ると昔の良い思い出にしがみついて何度も玩味するのですよね、まったくやーね)

「Transcendent Express」というのは、日本語にすると「超越(越境)急行」でしょうか?transcendentには「高踏的」みたいな意味もあるようで、なかなか興味深いですね。
そういうわけで「Transcendent Express」は明日19日午後1時の回が大千秋楽でございます。駆け込み乗車はこの場合奨励(推奨)されますので、皆様お見逃しにご注意ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?