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目で見て口で言え「山の声」「ストロング」

東中野ラフトで坂井水産フェスティバルを見て来ました。今年singing dog「Drunk」で共演した坂井さんが立ち上げた坂井水産の公演です。

この手描きの映画看板みたいな素敵ビジュアル!

山の声」は実在した登山家加藤文太郎の最後の登山を描く二人芝居。冬の槍ヶ岳北鎌尾根に後輩の吉田富久と挑むも遭難した単独行の加藤を、やはり「Drunk」でご一緒した浅倉さんが演じています(浅倉さんの、黙々とひとりで登り続けてきた男の勁さのなか時折弱さをさらけ出すさまにとてもキュンとしました)。加藤の後輩吉田を坂井さんがやっているのだけれど、ときどきさし込まれる加藤のひとり語り(坂井さんがやっていて、これが地味にえげつない内容と量で、自分がやることなんか絶対ないけど想像しただけで吐きそうになりました)は本人が残した文章(遺稿集「単独行」)から抜粋していると思われます。新田次郎や谷甲州の小説も読んでみたくなりました(どんどんこういう本が増えて行く^^;)。山登りにはあまり(いやほとんど)興味はありませんが、山を登る人には非常に興味があります。そういう意味でもとても面白いお芝居でした。

夜は同じく坂井水産フェスティバルの「ストロング」を見ました。この作品は坂井さんが初めて書いた脚本だそうです。SNSのオフ会をきっかけに知り合った男女の数日間を、その後に男性が友人に話すという形で物語は進みます。舞台装置はとてもシンプルで、細々した道具(空き缶とか服とか)ありつつ、場所も時間もコロコロ変化して行くのに、物語を見失うことなく追って行けるところ、初めての脚本とは思えない出来栄えだと思いました。聞き役の友人が、男女それぞれの恋人を演じるあたりも素晴らしい。

終演後、ストロングゼロとなまり節が当たる抽選会がありましたが、残念ながら外れました(まあでもワタクシなんぞにストゼロが当たってもたぶん呑まないで人にあげちゃうかも、なのでそんな罰当たりに当たらなくて本当によかった←負け惜しみです)。

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