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目で見て口で言え「チャーリー・バワーズ 発明中毒篇」

横浜シネマリンで「チャーリー・バワーズ 発明中毒篇」見てきました。20世紀初めにアニメーションからそのキャリアをスタートしたバワーズの作品のうち、アニメーション2本と実写4本にオリジナルの音楽をつけて上映。最初にアニメ「とても短い昼食」が始まったとき、「あれ、どこかで見たようなキャラクターだな」と思ってたのですがわからないままーーあとでプログラム(これ!マストでゲトしてください皆さん!)を読んでビックリ、サイレント時代の有名なアニメシリーズ「マットとジェフ」を作っていたのがバワーズだったというではないですか!実はワタクシ、弁士デビューの時の作品はマットとジェフシリーズの一本「レット博士大発明」だったのです。

実写作品の中でも、ストップモーション・アニメーションの手法がふんだんに使われています。「たまご割れすぎ問題」の、ニワトリの卵(だったはずなのに)から車のエンジンの熱で温められて生まれてくる赤ちゃん車(!)とか、「ほらふき倶楽部」で立派な建物に入ってゆく象の列とか、「全自動レストラン」の植木鉢の中で成長した気になる豆の缶詰とか、「怪人現る」の家の中で神出鬼没な怪人の動きとか、とにかくとんでもない奇想の映像が次から次へと出て来るのです。奇妙奇天烈な機械(システム?)を作るのは、見た目ごく普通の青年で、でも機械の理屈には一歳触れないところは、凡百のマッドサイエンティストには真似できない超(ハイパー)マッドな感じです。

感情をあまり表に出さず、思い込んだことに集中して猪突猛進する様は、どこかキートンに似ていますが、さまざまなハプニング(壁)にめげずに突き進むその姿にキートンのような「(カラダの)強さ」は感じません。シュッとしたその横顔はロイドっぽさもあります。

バワーズが亡くなったのは20世紀半ば、60年代に「発見」されたものの、すぐに忘れ去られ、90年代に再び「発見」されたといいます。

映画館で貰ったステッカーとプログラム

アリス・ギイといいチャーリー・バワーズといい、サイレント映画の世界の奥深さを感じますねえ。バワーズの作品は、オリジナルの音楽(なんと柳下美恵さんも参加されています!)がつけられています。いつか説明してみたいです。

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