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目で見て口で言え「蒲田モダンことはじめ」

山崎バニラ弁士の「蒲田モダンことはじめ」を見て来ました。以前新宿のスペースゼロで公演を拝見したときも思いましたが、大きなハコの客席をしっかり埋めているところが本当に素晴らしくて、そしてあの弾き語り活弁にはいつも圧倒されます。

ご自身がイラストも書かれたアニメーション「蒲田モダンことはじめ」と映画「私のママさんパパが好き」が第一部、第二部はバニラ弁士新境地に挑戦!といった趣きの「」でした。「私のママさんパパが好き」は、昭和6年公開のサイレント映画ですが、淡谷のり子が歌う主題歌はYouTubeで聴くことが出来ます。フィルムを発見したのは片岡弁士と坂本弁士。

左の男の子はご存知突貫小僧、右の女の子は高峰秀子。

この主題歌はもちろんバニラ弁士によって歌い上げられます。

仲入りをはさんで松竹蒲田撮影所「」、これまでのバニラ弁士とはガラッと変わった語りのテイストでした。ヒロインの長男小藤田正一(日本のジャッキー・クーガン!)は小津安二郎「生まれてはみたけれど」(今年のカツベン映画祭でバニラ弁士が説明されたのを見れなかったのが返す返すも残念です)で酒屋の御用聞きのあんちゃん(絶妙な脇役!)として記憶に残っていますが、この映画での真っ直ぐなお芝居もいいですねえ。そしてこちらにも高峰秀子さんがご出演。というか、デコちゃんの映画デビュー作なんですね。結末は哀しいものですが、それでもただただ陰鬱にならないのは、語り口(声音も含めて)の明るさではないか、と感じ入った次第であります。

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