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目で見て口で言え「トゥイードル」

池袋のスタジオ空洞に、AURYNトゥイードル」見て来ました。コロナ禍で公演を延期したAURYNの第三回公演。待ちに待った、かつ、満を持した公演。ワタクシも旗揚げから拝見しているのでなかなか感慨深いです。

母は私達に同じものを着せたがった
私はピンクより青が欲しかったのに
父は私達をいつも比べて怒った
私は普通にしてただけなのに
友達は私達を見て似てないのはおかしいと笑った
似てない双子もいるんだよって説明するのに飽きてしまった

同じ日に生まれて
同じ道を歩いてたはずなのに
繋いだ手はどんどん離れていってもう届かない
ケンカした日は鏡を覗いた
私の目の奥のほうに
似てないあなたが写っている気がして
嫌いなあなたが写ってる気がして

でも、もしかして。
あなたは私じゃないだろうか。

あなたは私の光
あなたは私の影
鏡に手を当てる
あなたはだあれ

窪寺さんの書くホンは、ワタクシにとってSFであります。サイエンスフィクションでもスペキュレイティブフィクションでもなく「少し不思議」な話。大掛かりなギミック満載で大上段に構えたエスエフではなく(それももちろん好きよ)、日常のなかにふっと立ち現れる「ささやかで、不思議な事象」。旗揚げは異世界の扉を開ける鍵、第二回は超常的な能力、今回は双子の間に起こる「おれがあいつであいつがおれで」現象(注;あくまでも個人の感想です。正確にはちょっと違うし)。そしてこの不思議を(観客の前で)たたまずに話を進めるところは面白いなーと思いました。天井から吊るされた三つの電球を使った転換も素敵でした。後半のツーマンセルでのダイアローグシーン、言葉の費やし方(とボリューム)は好みではありますが、結構意見の分かれるところかもしれません。双子の姉役の星秀美さんは、いつだかギャラリーしあんで見たあのノーブルで恐ろしい役のイメージは変わらず、地味な雰囲気をまとわせていても滲みでる麗しさ、でした。物販もいろいろあるようです。日曜日千秋楽。

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