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読んだり読まなかったりして生きて行く「日本の芸談6」「赤江瀑の世界」

日本の芸談6」は下北沢の古書店で見かけた本で、人生の終末を控えているんでなるべくお家にお迎えするものは減らしたいわけ(そんなこといいながらこないだも高橋葉介センセの本買いましたけどね!)で、気になった本はメモして図書館で探す、ということをやるようにしております。収録されているのは、“目玉の松ちゃん”こと尾上松之助、サイレント時代からハリウッドで活躍した上山草人、浦辺粂子、「喜劇の神様」斎藤寅次郎、内田吐夢の自伝。特に斎藤寅次郎の文章はこの本のために書き下ろされたものらしい(亡くなる3年前に出版。そしてなんと澤登師匠は斎藤監督に会ったことがあるんだそうだ!)。いくつかの作品のストーリーなどを解説されているんだけれど、発想が斜め上で素晴らしい。ほんと、現存しているフィルムが少ないのが残念。浦辺粂子さんの自伝は、文章がなんというかお腹がいっぱいになりそうな美文で、ドラマでしか拝見していないのでそのイメージとのギャップに驚いた。そして内田吐夢監督の自伝は、監督になるまでの紆余曲折が面白い!

そして10年前(!)に亡くなられた郷里の作家赤江瀑さんの「赤江瀑の世界〜花の呪縛を修羅と舞い」は、第1部の「長谷川敬作品選」が圧巻。「詩世界」という雑誌は知らなかったなあ。ウチにある赤江本をまた読み直したくなった。ただひとつ残念なのは、藤真利子さんのアルバムに何曲か歌詞を提供していて、それについては一行も触れられてないこと。どのくらい関わっていたのかはわからないけれど、作曲陣も坂本龍一とかムーンライダースの人とか、豪華だったのになあ。ワタクシレコード買いましたもの。「花まみれのおまえ」とかね、いかにも赤江瀑って感じでしたなあ。

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