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国民政府期の銀行と内債 1927-1936

姜良芹《南京國民政府内債問題研究》南京大學出版社2003年pp.214-225

p.214 (一) 政府公債への投資
 もし1894~1926年、中国政府の公債が外債が主だったとすれば、1927~1936年、中国政府の公債は内債が主であった。1892~1926年、中国政府の外債は約21億元で71%を占め、内債は8.4億元、29%を占めた。1927~1936年、外債は3.43億元12%を占め、内債は26億元88%を占めた。第四章で述べたように、
p.215  この政府内債の発行は一般に銀行が売り出しを引き受けることで始まり、その後、社会各界に向けて売り出され、銀行自身がその一部を投資購入した。

p.217  我々は、国民政府の内債の市場価格が、一般に券面の5-6割、多くて7割だと知るのである。

p.219  保証準備金中の内債額。銀行券の発行あるいは銀行券を預かるには、60%の現金準備、40%の保証準備が一般に規定される。保証準備には有価証券、商業手形、不動産契約書、そして連合準備委員会発行の公庫証など。しかし主要は有価証券。(以下説明を見ると中国銀行の1934年の数字として有価証券が兌換券準備の3割。有価証券の8割を内債が占めた。内債は市場価格を8掛けで評価。とある。)

p.224~225  (商工業活動が落ち込む中、商工業向け貸付は困難かつ回収がむつかしかった。他方で預金の吸収が多額に及び、銀行は回収率が高く利益率も高い内債投資に向かわざるを得なかった、と説明されている。)

新中国建国以前中国金融史

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