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Thorstein Veblen 1857-1929

顕示欲消費あるいは顕示性消費 conpicuous comsumption とは、自分がある消費(高額のもの)をできることを見せびらかせるために行なう消費のこと。Veblen(1857-1929)がその著書『有閑階級の理論』で明らかにした。このことから、ミクロ経済学では、需要が減るはずの、より高いの値段のものの需要が高まることをヴェブレン効果Veblen effectという。
またミクロ経済学では、ほかの人の消費が増えるもの(価格が安いもの)への需要が減る現象を、ほかの人とは異なるもの、ほかの人とは異なるものを欲しがる意識から説明してスノッブ効果snob effectという(自分の嗜好はほかの人より勝っている考える人をsnobと呼ぶ)。逆に大勢の人が消費するものに乗ろうとする意識から生まれる、流行に乗り遅れたくない意識から生まれる消費(需要)は、バンドワゴン効果band wagon effectと呼ばれる(band wagonとは楽隊を載せて先頭を走る車のこと)。

『ヴェブレン』Cited from Econlib.com 以下の小文の著者は海軍大学院の名誉教授でスタンフォード大学フーバー研究所のリサーチフェローである David R. Hendersonである。

 Thorstein Veblenは19世紀後半そして20世紀初期の経済学において、かなり変わった(odd)人物である。端に立つ(on the fringe)ことはかなり早くから始まった。Veblenはウィスコンシンのノルウェイ移民コミュニテイで育った。彼は家ではノルウェイ語しか話さなかった。また10代になるまで英語を学ばなかった。彼は指導的新古典派経済学者のJohn Bater Clarkのもとで経済学を学んだが、Clarkの考え方ideasは否定した。彼は、Charles Sanders PeirceのもとでJohn Hopkins大学で、また自由主義laisse-faireの主張者であるWilliam Graham SummerのもとでYale大学で、学位を取得する研究を行ったが、同様に彼ら(PeirceとSummersの)見解は受け継がなかった。
 Veblenはその著書『有閑階級の理論』で最もよく知られている。同書は「顕示欲消費 conspicuous consumption」(他人にその階級であることあるいは達成物を示すために行なわれる消費)という用語を提出した。この用語は、誰よりVeblenが知っていることであった。
 Veblenは経済学者が出す問題への彼らの答えを拒絶はしていない。(ただ)彼は彼ら経済学者の問題は余りに狭いと考えた。Veblenは経済学者たちに、社会文化的な原因と、経済変化の(社会文化的な)影響を理解するように求めた。例えば、狩猟や魚を取ることから農耕への移動の社会文化的理由は何か。この移動の社会文化的な影響は何か。(しかし)Veblenはこれらの質問について経済学者たちに関心をもたせることには、全く(singularly)不首尾だった。その失敗は、仲間の経済学者に向けられた彼の著述の皮肉に満ちた論調を説明するものだろう。
 Veblenは学問の巣academiaに残るための戦いを強いられた。19世紀、多くの大学は教会と深い関係にあった(affiliated in a substantial way)。Veblenの宗教への懐疑主義、乱暴なマナー、きっちりしないunkempt外貌から、これらの大学に彼は魅力的でなかった。1884-1891年の間、Veblenは彼の家族そして彼の奥さんの家族のlargesse(お金 資産)で生活した。1892年に彼の指導者mentorであるJ.Laurence Laughlinが新設のシカゴ大学に雇われたことが、転機になった。Laughlinはteaching assistantの職をVeblenにもたらした。Veblenは後に、シカゴ大学で編集されたJournal of Political Economyの編集責任者になった。彼はシカゴで14年間を過ごし、その後、スタンフォードで3年を過ごした。彼は1929年にひっそりと(in obscurity)亡くなった。
    なおThorstein Bund Veblenの著作へのアクセスルートとして、The History of Economic ThoughtのMajor Works などがある(hetwebsite.net)。



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