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中村彝(つね)アトリエ記念館

 洋画家中村彝(つね)(明治20年1887-大正13年1924)のアトリエが大正5年1916年建設当初の姿に復元保存されている。中村の作品としては「エロシェンコ氏の像」(大正9年1920)「少女」(大正3年1914)などが記憶に残る。
 若いときから肺結核を病んでいた中村は、このアトリエで療養しつつ、画業に励む日々を送った。外出はあまりできなかったので、結果として、人物画や静物画が作品の多くを占めている。
 その人生は挫折が多かった。もともと陸軍軍人を目指していたが肺結核の診断を受け陸軍幼年学校を退学している。その直後、慕っていた兄が日露戦争で戦死。さらに同じ画家仲間の親友の早世。そして失恋など。
 他方で、彼の年譜をみると、画業の面では様々な人々の指導を受ける機会に恵まれ、同じ志の画家仲間との交流があり、自身の展覧会での入選は順調、またさまざまな人の支援を受けている。彼の絵にはそうした曲折が反映するのかもしれない。
 ところで中村が過ごした当時、この付近はどのようだったのだろうか。
 下の最初の写真は「目白の冬」(大正9年1920 茨城県立近代美術館蔵)の複製写真より。この絵から想像するに、大きな洋館などが点在する意外にモダンな風景だったのかもしれない。

 中村彝
 アクセス 目白駅から目白通りに沿い左手へ。やがて標識で左折。
      その後しばらくで再び標識あるが住宅地のため分かりにくい。
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福光 寛  中国経済思想摘記
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