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厲以寧(1930-) 簡歷

《厲以寧經濟文選》中國時代經濟出版社2010年

p.1 厲以寧,漢族,江蘇省儀征市人,1930年11月南京生まれ。1955年北京大学経済系卒業後、大学に残り現在に至る。資料員、助教、講師、副教授、教授を歴任(写真は白山神社にてアジサイ。)。
 1985~92年北京大学経済管理系主任;1993~1994年北京大学工商管理学院院長;1995~2004年北京大学光華管理学院院長;2005年以後北京大学光華管理学院名誉院長。(中略)

p.5  改革開放以前、私は経済史と経済学説史の研究に主として従事していました。中国の現実経済問題とは全く関係を持ちませんでした。改革開放以後、30年前後の間に、私の研究は次第に中国経済改革方面に接近しました。私自身がまとめますに、大体3つの主要成果があります。一つは国有企業改革で、私はほかの経済学者とともに、社会主義市場経済体制を建設するには社会主義経済の基礎単位(微觀基礎)を再度建設する必要があり、それには株式制がもっとも良い形式だと、考えたことです。二つ目は民営経済の発展です。私は社会主義市場経済の中で、民営経済は重要な構成部分だと考え、民営経済の発展を、奨励し、援助し心を砕いて育てねばならないと考えました。三つ目は都市農村二元体制の改革です。私は都市と農村の経済社会一体化の道を歩まねばならないと考えました。そうであってこそ広範な農民が都市居住者と同様に、改革発展の成果を享受できるのです。
   私の経済理論の出発点は非均衡分析です。《非均衡の中国経済》(1990年出版)は私の代表作の一つです。私は経済の非均衡を二種類に分けました。第一の種類の非均衡は不完全(不完善)市場の条件のもとでの不均衡です。第二の種類の不均衡は不完全市場と企業活力欠乏の条件下での不均衡です。現実の中国経済は第二の種類の非均衡条件下にあり、それゆえ中国の経済改革は所有制改革、即ち財産権改革を主としたものであるべきで、企業を真正の市場主体とし、経済を第二の非均衡状態から第一の非均衡状態に渡らせ、その後、継続して市場を完全にすることで、中国経済を第一類の不均衡から均衡状態に向けて接近させる。株式制の構想、民営経済発展の建議、就業優先の提起。都市農村一体化の計画、いずれも非均衡を出発点としています。
 改革開放30年の中で、私が株式制改革の観点を持っていたことは、中共中央と国務院の支持(肯定)され、かつ全国人大<証券法>起草小組組長を担任し、《証券法》起草の仕事をしました。6年半の努力を経てついに全国人大常任委員会を通過しました。私は全国政協経済委員会調査組を率いて非公有経済を調査し、調査報告を書き、国務院に報告書を提出、国務院の認可をp.6  経て、ついには「非公経済36条」(訳注 2005年に国務院が出した意見書で、法律の明文の規定がない限り、民営経済の進出を認めたもの。実際には国有資本の反対で進出はむつかしかったと言われる。)を公布し、中国の民営経済は新たな発展段階を歩むことになった。私は長年一貫して就業の拡大することを最も主要なマクロ経済政策思想としており、政府の受け入れを得て、積極的な就業促進政策実施を促進した。私はすべてのこれらの建議はすべて経済学界全体の貢献であり、私は自身果たすべき責任を果たしたと考えている。(以下略)  

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