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薛暮橋(1904-2005)、孫冶方(1908-1983)

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薛暮橋(1904-2005)そして孫冶方(1908-1983)の関係資料を採録。二人はかなり肌合いが違うが、上海そして北京で接点がある。
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2021年7月の記事一覧

薛暮橋  書面報告 1979/03

 這是在理論工作務虛會議上的書面發言。“根據實綫經驗回顧二十多年的經濟工作”載《薛暮橋改革論集》中國發展出版社2008年11-25, 22以降passim 。なおこの報告の日付けは1979年2月とするものもある。   実は薛暮橋(シュエ・ムーチアオ 1904-2005)という人をどう捉えればいいか迷いが長年ある。《中國社會主義經濟問題研究》人民出版社の著者(正確にいえばとりまとめ責任者)として、改革開放政策の理屈付けを展開してみせた人物。  彼の《回憶錄》天津人民出版社200

孫冶方 劉少奇提倡民主 1980

 以下は孫冶方《重視理論 提倡民主 尊重科學-回憶少奇同志的幾次講話》載《經濟研究》1980年第4期の第二段落の翻訳である。《孫冶方經濟文選》中國時代經濟出版社2010年249-258,esp.253-255から採録した。この記述の前半、資本主義の未発展と民主の伝統の欠乏との関係の指摘は鋭いし興味深い。だが後半、小資産家が右に左に揺れ動くとするのは、記述として疑問が多い。小資産家かどうかは無関係で、民主の伝統が欠如している社会では、すべての人々が保身のため、右に左にゆれるので

薛暮橋 経済改革私見 1992/09

薛暮橋が1992年9月に発表した「改革就是爲了發展解放生產力」から。この文章は《回顧録》にも採録されている。ここでは《薛暮橋改革論集》中國發展出版社2008年156-191から採録した。ここで述べていることが彼の結論だったのではないか。 p.160 しかし1979年に《中国社会主義経済問題研究》を書くまでその1983年修訂版までは、私はなお「価値規律は社会主義条件下、一般にすでに自発的には調節作用しない、通常は(常々)国家により自覚的に調節作用が利用される。国家は価値