マガジンのカバー画像

趙紫陽(1919-2005)

54
運営しているクリエイター

2021年9月の記事一覧

コルナイモデル 1985年9月

  1985年9月2日から7日 世界銀行、中国社会科学院などが共催して、重慶から武漢まで巴山輪号という船に泊まり込んで揚子江を下りながら、中国内外の経済学者が中国の経済改革について語り合う大規模な会議が行われた。歴史上「巴山輪會議」といわれるもの。海外からはA.Cairncross, J.Tobin, W.Brus(Poland), J.Kornai(Hungary)など、中国からは、薛暮橋,馬洪,劉國光,張卓元,吳敬璉などが参加している。手元の張軍《“雙軌制”經濟學:中國的

コルナイの市場社会主義批判 1997(吳敬璉2013)

 東欧の市場社会主義、そして中国における「改革開放」をコルナイはどう評価したか。吳敬璉は、1997年のコルナイの著書から、市場社会主義への批判を読み取り、それを記録している。吳敬璉 馬囯川《重啓改革議程》香港中和出版有限公司2013年·123-126 p.123 吳敬璉:私が見るところ、国際学術界で、ハンガリーの経済学者コルナイは「市場社会主義」に対し、最も全面的で深い(深刻)批評(評論)を行った。コルナイは p.124 経済学素養の高い、また人文に造詣の深い

張五常 中国的経済制度 2009

この本は英語のあと中国語がくる。それで中国語の部分から読むといろいろ疑問が残った。で英語で見ると、主張は明確で疑問も残らない。ということは英語版を最初から読んだ方が良かったかもしれない。内容は彼、張五常がどのように、中国の改革にかかわってきたかを語ったもの。ところどころ自慢話に見えるところもあるが、それだけ天才肌で自信、自負の高いひとなのだろう。  第一節で提起される問題は、腐敗、言論統制など、極めて多くの問題を抱えながらも中国が急速に発展したことは事実、それをいかに