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結末のないストーリー/彼女は指輪を受け取ったか?

昭和40年生まれ。小学校時代印象に残るテレビドラマはGメン75だった。(決して太陽に吠えろ!ではない!!)当時開港していなかった成田空港の滑走路の中央をカメラに向かって歩く俳優に胸を躍らせた。カッコイイだけではない。結末のないシナリオも新鮮だった。エエッ??こんなところで終わるのぉぉ??エンディングテーマも印象的で夢中で歌詞を覚えた。自分だけではない。クラスの皆も観ていた。実際学校の行事でクラスの出し物はGメン75をベースにしたGメン76と題した劇だった。(数字の76はちょっと記憶に自信ないけど)

カラオケが好きだ。昔は休みの日によく上さんとカラオケに行った。だいたいふ2人で2時間ぶっ通しで歌う。その歌詞にもときどき結末のないストーリーがある。(そんな曲を選ぶ) そのひとつが浜田省吾の「もうひとつの土曜日」。心を寄せる片思いの彼女が別の男性から振られる。「オレ」はそんな彼女に指輪を受け取って欲しいと言い彼女の答えが表されないまま曲は終わる。ある時この曲を歌い終わった自分の横で上さんが「でも結局彼女は指輪を受け取らないのよね。」とまるでそのシーンを見たことがあるかの様に自信ありげに言った。歌詞にあるストーリーからその先を読んだのか、女心の直感なのか、今となっては分からない。今ではそれを確かめる術もない。自分はそう思うん?とか言ったかどうかはもう覚えていない。ただ同調はしなかったと思う。予想する結末が違ったからではない。受け取る/受け取らない/分からない の3択だとして正解を狙うなら自分も受け取らないにマルをする。しかし、思う。ときには結末を知らないまま、知らされないまま終わるのもオツなものだ、と。それは聞き手、読み手に解釈を委ねることでもあり、解釈の数だけそのストーリーに広がりと独自で固有の想いが乗っかることになるからでもある。その想いはときと場所によってあるいはそのときの気分によっても変わったり変えたりするもので逆に自分の考える結末から今の心境を占ってみたりするのも楽しい。こんな楽しみ方をするのも小学校時代に見たGメン75のおかげなのだろうか。

ちなみに蛇足だけどこの曲で一番好きな歌詞は「キミを裁こうとするそのココロがときにオレを傷つけてしまう」。


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