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製造業DXとインダストリー4.0の関係

インダストリー4.0とは製造業の生産性向上を目的とするドイツの国家プロジェクトで、複数の工場を繋げて生産プロセスを効率化することから始まりました。一方、製造業DXは製造装置や製造工程の監視・制御の変革による生産性・品質向上、および製品やサービス、ビジネスモデルの変革の活動です。これからわかるように両者には強い関係があります。一見、インダストリー4.0の方が狭い領域のように見えますが、こちらの考えや目的が発展していて、両者の包含関係は単純ではありません。両者は持ちつ持たれつの関係です。図引用元:IPA製造分野DX マンガFAQ

インダストリー4.0とは

インダストリー4.0とは製造業の生産性向上を目的とするドイツの国家プロジェクトで2011年に提唱されました。インダストリー4.0では複数の工場を繋げて生産プロセスを効率化することから始まりました。なお4.0には「第4次産業革命」という意味があります。

インダストリー4.0ではIoTを中心に、AIなどのデジタル技術で製造業のデジタル化を行い、製造や運用工程を効率化してスマートファクトリーを推進します。

この考えは日本でも受け入れられ、2018年から始まった日本のDXにも影響を与え、製造業DXのお手本にもなっています。

製造業DXとは

製造業DXとは、工場で使用されている製造装置やその製造工程の監視、制御などをデジタル化し、効率化します。また営業や総務などのITシステムと連携を取り、製品やサービス、ビジネスモデルの変革を実現することです。

その範囲は工場の運用技術(OT)である製造実行システム(Manufacturing Execution System, MES)、製造オペレーション管理(Manufacturing Operations Management, MOM)、産業監視制御システム(Supervisory Control And Data Acquisition, SCADA)、プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller, PLC)などと、さらに営業ITシステムのサプライチェーン管理(Supply Chain Management, SCM)、エンタープライズリソースプランニング(Enterprise Resource Planning, ERP)などになります。これを以下に図示します。

製造業DXの範囲

インダストリー4.0と製造業DXの関係とは

以上見てきたように、インダストリー4.0と製造業DXは強い関係があります。

2011年から始まったドイツのインダストリー4.0は当初から段々と発展してきていて、大きなものになっています。一方、製造業DXではDXそのものが大きなものであるため、製造業DXも大きなものになっています。カイゼンレベルのものではありません。

このため、現状ではどちらがどちらかに包含されるという関係ではありません。両者は歴史や背景は異なりますが、目指す目的には差がありません。山頂を目指す道は複数あっても山頂はひとつです。その道筋さえもほぼ差はなくなっています。

なおこれに対して異議を唱える専門家はいると思います。でも気にする必要はありません。反論する必要もありません。どちらかが新しいことを言っても、1年以内に片方がそれを導入することになります。きっと。

でもインダストリー4.0の方が大先輩です。先輩には敬意を表しましょう。それが世界平和のためです。

ということで今日の結論。「製造業DXはインダストリー4.0」 以上です。

DX研究会「とある技術のデジタル変革」 | Facebook (メンバー1,577人)
マンガFAQの引用元:中小規模製造業者の製造分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのガイド

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