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人は一人では生きていけないが、一人でもある

僕らは大人になり、社会に放り出されたら、学校で学んでいたのとは全く違う環境にさらされて、周りの状況をキョロキョロ見ながら、お金を稼ぐ方法を身に着けていく。

仕事をしだしたとき、僕が違和感があってなかなか素直に言えない言葉があった。

「いつもお世話になってます。○○○のHiroshiです。」

この、いつもお世話になっています、という言葉が自分の中で腑に落ちなかった。そもそも知らない相手に、いきなり、お世話になってますって、心を込めて言えるほうがおかしいだろと。

仕事をしだして5年ほど経った時、自分自身は自分がお世話になっている会社の一員だし、その会社は取引先との関係性で商売を成り立たせることができている。要は一人では、会社単体では、社会の役には立たないということを実感して、互いに支え合い、お互い様の関係で成り立っているんだと気づいて、それ以降は、心を込めて

「いつもお世話になっています。」

 

と言えるようになった。

人は自立した一人の人間である必要があると同時に、関係性のある人達と協力しあって生きているんだと。

で、僕の場合は社会人としてのスタート5年ぐらいは順風満帆だったが、ある時躓いてしまう。周りから支えてくださるお声などもいただけたが、うまく仕事が進められなくなった自分を受け入れられなくて、塞ぎ込んでしまった。

よく挫折する人生を歩んできた僕だが、結局挫折から復帰するのは、しばし社会との接点を断って、思いっきり自分自身と向き合い、自分の弱さに苦悩し、マイナス思考を繰り返し、時間の経過とともに復帰するということを繰り返してきた。43歳の頃、ようやく、自分の弱さも自身の特徴として受け入れられるようになるまでは。

挫折した自分を立て直せるように、元気になったら、自己啓発系の本や、心理学系の本などを読んだ。でも、いざ挫折しちゃうと、本で学んだ知識ってそれほど役に立たなくなる。

敬愛する宇多田ヒカルのPink Bloodという曲の一節にこんなのがある

自分のことを癒せるのは、自分だけだと気付いたから

知識を得ること全てを否定する気はサラサラないが、結局は自分の経験からの学びのなかで、自分で自分を癒す方法を身につけるしか、僕らの心が安定することはないのかなと。

解決策を自身に求めず、自分の外側のなにかに求めている限りは、本来の幸せ、自立はないのかなと。

そんなことを深く感じさせてくれ、共感できる詩の一節だ。

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