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「誕生日」

「老いてゆく中で」ヘルマン・ヘッセ

 若さを保つことや善をなすことはやさしい
 すべての卑劣なことから遠ざかっていることも
 だが心臓の鼓動が衰えてもなお微笑むこと
 それは学ばれなくてはならない

 それができる人は老いてはいない
 彼はなお明るく燃える炎の中に立ち
 その拳の力で世界の両極を曲げて
 折り重ねることができる

 死があそこに待っているのが見えるから
 立ち止まったままでいるのはよそう
 私たちは死に向かって歩いて行こう
 私たちは死を追い払おう

 死は特定の場所にいるものではない
 死はあらゆる小道に立っている
 私たちが生を見捨てるやいなや
 死は君の中にも私の中にも入り込む

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 今日、53歳の誕生日を迎えました。

 50になった時から、誕生日にはこの本をパラパラとめくるようになった。50の時は、ヘッセの作品はほとんど読んでいないと言って良いくらい、ヘッセを知らなかったけれど、だいぶヘッセに関しての知識は増えた。まあ、だからどうというわけでもないけれど。

 ヘッセの詩は比較的わかりやすくて好き。この詩は一読すると何だか暗い感じがするんだけれど、よく読んでみると実に前向きな詩であると言うことがわかる。特に第二連の表現が力強くて好きです。

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