見出し画像

2014年中カ国際列車+エカテリンブルク旅行(1)

 今回の旅行は、前年に続いて中国カザフスタン国際列車乗車旅行ですが、アルマトイからの帰路はモスクワ経由となります。

 出発は成田空港。愛知県からわざわざ千葉県までの移動となりますが、これはウルムチ行きの安い航空券を探した結果によるものです。上海浦東で中国東方航空の国内線に乗り換え、途中珍しくハミに経由してウルムチに向かいます。上海ウルムチは直行便で約5時間ですが、今回も到着は遅れました。たまには明るいうちにホテルにチェックインしたいものです。

画像1

 国際列車の切符ですが、いつも手配を依頼していた中国の旅行会社から、今回は自力で購入するようにとメールでいわれてしまいましたので、乗車する当日にですが、まずは駅で切符を購入するというミッションがあります。とはいうものの、結果として何の問題もなく購入できました。気になるお値段は804元。これでカザフスタンに行けます。

画像4

 ちなみにウルムチ駅はこの今年爆弾テロがあった現場です。だからなのか、昨年と比べて警戒ぶりが一層厳しくなっています。国際列車切符売場に行こうとしてあたりをうろうろしましたが、結局これらの検問ゲートを通過しないとたどり着けない構造になっています。駅に限らず公園など様々なところの入口でこのような類のチェックがあります。ただ真剣に確認しているようには見えません。やることになっているからやっている、ということでしょうか。ただ、当日テロが発生して列車が停まり、よって以降のスケジュールが破たんする、という展開がなくなったのは安堵しました。ここでテロに遭ってアラーの御許に旅立ったとしても、職場の同僚から「ほら言わんこっちゃない」と思われるのが関の山でしょうから。ただし何も起きなかったのは、決して中国共産党の普段の行いが良かったからではない。

画像3

画像4

旅行してると、コンビニって本当に便利だと思います。ウルムチで日本の大手コンビニの店舗を見たことはありませんが、ローカル(と思われる)コンビニが結構ありました。さすがにここの中に入るのに金属探知機による検査はありません。

画像5

 ウルムチ市中心部の人民公園にいた小動物。動画も撮りたかった。

画像6

画像7

画像8

画像9

 ウルムチ駅のアルマトイ行き列車の待合室。というより、中央玄関の片隅。なんという仕打ちでしょう?こんなことで中国とカザフスタン間の友情にヒビは入らないのでしょうか。

画像10

画像11

 ここは中国カザフ国境のうち中国側の阿拉山口駅。朝の6時くらいだったか、あまりにも空気がさわやかで、ガキのころラジオ体操に行くために無理やり起きた時もこれくらい涼しかったらよかったのにと思いました。
 もっともこの後行われた中国当局による各種検査は、日本の梅雨なみの鬱陶しくてねちっこいものでした。

画像12

画像13

画像14

画像15

画像17

 中国カザフスタン国境通過中

画像16

画像18

画像19

 列車は国境を越えてドストーク駅(露:ドルジバ駅。いづれも友好の意)に着きましたが、昨年のやっちまった事件(国際列車に国境で置き去りにされた事件)が思い出され、また今回は台車の付け替え作業(線路の幅が中国側と旧ソ連圏では異なるため)を見るのもいいかなと思い、ぐずぐずしていたら、列車は駅を離れて作業場へ移動していきました。
 そこでなにやら作業をしていましたが、あまり大したブツを撮ることはできませんでした。というのも、だんだんと便意をもよおしてきてしまい、中に残っていた車掌にトイレに行かせてくれと言っても無視され、作業が終わり列車が駅に戻るまで耐えていたというのが実情でした。
 どうも昨晩ウルムチ駅で買ったミネラルウォーターが体に合わなかったのか、昼過ぎから腹の調子が良くなくなってきて、それが悪いことに列車が停まっているときにもよおしてくるものですから(トイレは垂れ流し構造のため、駅では使用禁止となります)、そのたびにいつ発車するのかあせるわけです。さらにティッシュもなくなってしまい、最後は中東式で処理しました(左手に水を載せて洗うというやつです)。
 さて、ドストーク駅に戻るとすぐにトイレに駆け込みました。そして一旦列車に戻りましたが、両替しておこうと再度出ようと思い、車掌に「銀行に行く」と言うと、面倒くさそうに手をふります。最初、ダメだ降りるな、と解釈しましたが、そういえば銀行なんかなかったなと思い、「店に行く」と言ったらやはり面倒くさそうに通してくれました。しかしながらまた昨年みたいに列車に置き去りにされてはたまらないので、出発時刻を確認しました。それでも突然発車するかもしれないという恐怖感に襲われ気が気ではありませんでした。コトを終え、列車に戻る際、駅の事務室の方を見ると、ドアは閉まっていました。ただその手前に女性係員がいましたので、「アルフィア ヴァル ム(アルフィアさんいますか)?」と訊きましたら、いないとの返事でした。アルフィアさんとは、昨年我々日本人四人組(江青ら四人組のことではありません。念のため)が列車から置き去りにされた時にいろいろと面倒を見てくれた方です。返事の具合が、え、何?それっておいしいの?、という感じではなかったので、おそらくその時は非番だったのでしょう。ちょっと残念です。

画像20

画像21

画像22

画像23

 カザフスタンに入ったら、カザフ人のお母さんとガキ、じゃなかった、かわいらしい男の子の二人組が私のコンパートメントに入ってきました。貸し切り状態じゃなくなったのが残念で、しかしながらそれはまあ仕方ないと思いますが、この子、子供特有の甲高い声で四六時中なにかしゃべっています。最初は相手をしていたお母さんもだんだん返事するのが面倒になり相手にしなくなってきます。すると今度はドアを開けたり閉めたりして遊んでいます。
 そりゃあ退屈な車内ですからじっとしていられないのでしょうが、私は人間ができていないので、舌打ちをしたり、一度眠ったふりをして軽く、本当に軽く蹴とばしたこともありましたが、やはり以心伝心は日本人同士にしか通じないコミュニケーション手段、何の効果もありませんでした。
 時差ボケが収まらず、午前2時ころ目覚めたら、親子の姿は見えませんでした。途中の駅で降りたようです。日本人が乱暴なので別の部屋に移ったわけではないようです。

画像24

画像25

画像26

画像27

画像28

画像29

画像30

 4時半頃だったか、車掌が各コンパートメントの扉を何かでこする音をたてて乗客を起こして回りました。あまり愉快な音ではありませんが、乱暴にノックされたり、部屋のドアを開けられて「おはよ、お・き・て(ハート)」って臭い息でやられるよりはるかにマシです。外はまだ真っ暗ですが、使ったシーツをたたんでいると列車はどこかに停まったようです。よくよく見てみると結構大きな駅で、アルマトイⅠ駅でした。終点はこの先のアルマトイⅡ駅です。1年前に乗った列車はここでほとんどの人が降りましたが、そもそもこの列車にはほとんど人が乗っていません。車掌はドアを閉め切っているので、ホームを散歩することもできません。そのうちなにやら車掌室の方からまな板をたたく音や何かを炒める香ばしい香りが漂ってきます。普通ならアンタ一体何やってるの?と思うのでしょうが、悠久なる中国に触れていると、そんなことに目くじらをたてても仕方ないように感じてしまいます。
 周りが少し明るくなってきたらようやく列車が動き出しました。実はこの時ももよおしていまして、もしかしたらトイレはもう使えないかと思いましたが、すぐに鍵を開けてくれました。そして6時頃、すっきりした気分で終点アルマトイⅡ駅に到着しました。しばらく駅の中を、怪しまれない程度に探検してみましたが、巨大な北京西駅(行ったことはありませんが)とは比較にならないごくふつうの田舎の駅といった規模なので、早々に引き揚げました。
 ホテルは今回もパンフィロフ公園そばのオトラルホテルを予約しました。前回は地下鉄で移動しましたが、この時間はまだ動いていなかったので、歩いていきました。迷いはしませんでしたが疲れました。このホテルはソ連時代からあり、外国人が泊まれるレベルのホテルでしたが、今となっては特に設備は悪くはないものの、ただのホテルです。ただアルマトイはホテル代が高いので、ここが私にとってはベストです。ここでバイキングスタイルの朝ごはんを食べたら元気が出てきました。実はこの時点で今回の旅行日程の半分を経過するところですが、ここからがある意味本番です。つづく

画像31

画像32

画像33

画像34

画像35

画像36


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?