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2013年中カ国際列車+新疆伊寧(イーニン)旅行(0)

ウルムチ発アルマティ行列車の切符
中国語、ロシア語と、あとなぜかドイツ語(と思う)の記載があるが、英語はない
 これから中国カザフスタン国境を越えるので、今回は「世界の車窓から」の予告編。
 今回の旅行における中国国内の基点は、新疆ウイグル自治区の都ウルムチ。ここは現地のウイグル族による反政府活動のニュースが時々日本でも流れる。ちなみに、大連のホテルでNHKの衛星放送を見ていた時、その中のニュース番組でウイグル族の反政府活動のニュースが流れた途端、画面が真っ暗になった。
 アクセスは、まず日本から飛行機を乗り継いで、ウルムチまで行き、翌日の夜、ウルムチ発の国際列車に乗る。この列車は週2便運行されている。ただし国際列車といっても、間違ってもオリエントエクスプレスのような優雅なものではなく、かつてはこの列車を使って、安かろう悪かろうの中国製品を物資のないカザフスタンに運び込んで売りさばく担ぎ屋御用達の買出し列車であった。おそらく今も大方そんなものだろう。
 列車内の二日目に国境を越えてカザフスタンに入国。昔のここらの陸路国境には、何にも不備はないのにいろんな難癖をつけてお金をむしりとろうとする悪徳係官がいたらしい。人のパスポートを見て「ビッグプロブレーム!」とか、「$100…」と、なぜかここだけ英語でうれしそうに話す馬鹿面係官がいたら要注意だ、まるで西遊記に出てくる妖怪だ。ちなみにこれは$100くれれば見逃して国境を通してやってもいいという意味だ。当然領収証は出ない。そしたらこちらもここだけロシア語で「プロブレーム、ニェート!」と負けずに言い返さねばならない。そして対処方法として、馬鹿面係官の名札を見て、名前をメモればかなり有効だ。ただし、これをやると人によっては本気で怒るかもしれない。
 また中国側も時々チェックが厳しくなる。パソコンを持っていたら、ほぼ必ず起動させられて中身を確認される。そういう意味ではデジカメも要注意だ。荷物チェックの過程で地図が出てきた場合、台湾や尖閣諸島の記載が中国政府の意に沿わない内容だと没収されることもある。
 三日目の朝にアルマティに到着。この日は街を散策。ここは基本的には何もない街で、翌日に乗るバスの切符を買うという仕事があるが、これ以外に特にすることはない。
 次の日の朝に中国行きの国際バスに乗り、当日の午後に国境を越えて中国に再入国。イーニンという街で下車する。このバスに乗る部分が今回の旅行で難しいところ。まず、バスがちゃんとあるか、なければ近場まで行くバスを探して乗り継がねばならない。なぜならこのバスは中国からきており、もし前日にバスが来なかったら、当然引き返すバスがないから運休だ、ということだが、アルマティに留まるわけにはいかないので、最悪でもタクシーを調達せねばならない。中国に入る国境は大変混雑しており、うかうかしていたら越えることができない。ただ国境自体が観光地化しており、国際バスを途中下車してでも様子を見てみたい。
 ところでイーニンという街は、治安当局がピリピリしている。16年前に行ったときもそうだった。とある中国の旅行会社にホテルの手配を依頼したら、トラブルを防ぐために、ガイドとセットとすることを求められた。結局別の旅行会社に手配を依頼した。もしかしたらバスターミナルに到着したとたん拘束されるかもしれない。ちなみに「Free Tibet!」という文字の入ったシャツを着てたらもれなく捕まる。
 運よく捕まらなかったら、次の日はスパイ活動、ではなくて観光。その日の夕方飛行機でウルムチに帰る。そして次の日に飛行機を乗り継いで日本に帰る。
 結局この説明だけでは果たして何をしに行くのかさっぱりわからないだろうが、スパイ活動というのはそういうものだ。

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 で、結局国境でとんでもないハプニングが起きるのだが、その顛末はここで。


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