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ロボットだと思っていた。

あいつは、自分の言いたいことを言わない、一見冷静風で、しゃべる時なんて声が震える、何だか頼りないロボットみたいな存在だと思っていた。

それがオラたちのイメージだった。当然、やつらはカネには汚くて、裏でコソコソと蓄財していた。当然のことだ。自らの利益を拡大するために、自らに関わりのある人にだけ利益を誘導する、ものすごく偏った存在だから、自分たちの都合のいいことをする。そんなの当たり前だ。

それはオラたちも知っている。やつらは、自分のおカネでないものなら、どんなことをしてでも、やりたいようにやっていくだろう。

そもそも、オラたちのお金なんてどこにあるんだ。そんなの見たことないぞ。そんなのは見せかけだけだ。オラなんてスッカンピンの貧乏人だ。

何にも持ってないから、何にも言う権利はないぞ。そうなんだ。せめて、自分の畑を持って、自分で食べるものを作り、生活していきたいんだ。でも、それはできていない。いつになったらできるのか、実際に自分の食べるものを作る、というのは簡単なことではないのだろうな。一生できないかもしれないぞ。そうかもしれない。

ロボットなんて、相手にしないで、自分のやれることをやりたいと思うんだ。でも、テレビを見てしまうと、ロボットやら、ウソつきやら、破られる約束やら、まともなものは見られないんだ。

オラ、テレビは嫌いなんだ。見たくないんだけど、家族はテレビを見たいみたい。

ロボットは、近いうちにスケーブゴートにされるっていう話だ。またはトカゲのしっぽになるのか? そんなことしても、やつらの魂胆は見えているのに、やつらを蹴落とすことができてないんだ。困ったもんだ。

いけにえを出すな! シッポを切るな! 戦争はやめろ! 人の命を奪うな! オラは叫ばなきゃいけないな。黙ってる場合じゃないんだ。